肺区域切除における術前CTアンギオグラフィー

肺区域切除術を安全かつ円滑に遂行する上で,術前に肺血管の分岐を把握することは重要であり,我々は3DCTが有用であることを報告してきた.一回撮像によるCTを用いる場合,動静脈のコントラストが明瞭であることが望まれる.造影CTで通常行われていた(A法)と当院で工夫した生理食塩水を後押しする方法(B法)を後ろ向きに検討した. 対象は2008年1月~2009年11月までに,胸腔鏡下区域切除を行った22例.うちわけはA法が10例,B法が12例であった. 3DCT画像における肺動静脈区別が良好例および不良例はA法で1例:9例,B法で9例:3例であった(p=0.002). 肺動脈と左房におけるCT値の測定で...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 26; no. 6; pp. 586 - 590
Main Authors 渡会, 光, 加藤, 博久, 本間, 次男, 深谷, 建, 鈴木, 潤, 貞弘, 光章, 大泉, 弘幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.09.2012
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.26.586

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Summary:肺区域切除術を安全かつ円滑に遂行する上で,術前に肺血管の分岐を把握することは重要であり,我々は3DCTが有用であることを報告してきた.一回撮像によるCTを用いる場合,動静脈のコントラストが明瞭であることが望まれる.造影CTで通常行われていた(A法)と当院で工夫した生理食塩水を後押しする方法(B法)を後ろ向きに検討した. 対象は2008年1月~2009年11月までに,胸腔鏡下区域切除を行った22例.うちわけはA法が10例,B法が12例であった. 3DCT画像における肺動静脈区別が良好例および不良例はA法で1例:9例,B法で9例:3例であった(p=0.002). 肺動脈と左房におけるCT値の測定で,その較差はA法で22.1, B法で106.6であり,B法が有意に肺動静脈の濃度差が大きかった(p=0.002). 一回撮像法による造影CTにおいて,B法は肺動静脈の区別描出に有用であった.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.26.586