大腸癌に対する腹腔鏡下Hartmann手術の経験
3例の腹腔鏡下Hartmann手術を経験したので報告する.症例1:75歳,男性.Rb直腸癌で透析中,多量腹水,心臓弁膜症.症例2:82歳,男性.Rb直腸癌で脳梗塞,重度認知症.症例3:81歳,女性.RS直腸癌で高度肝硬変,多量腹水,糖尿病.当院開院後より大腸癌切除を施行した463例のうちHartmann手術は23例(4.9%)に施行し,腹腔鏡手術は3例であった.直腸癌の腹腔鏡下手術の適応はRS:~T3,Ra/Rb:~T2症例とした.平均年齢は79.3歳,平均腫瘍径は42mm,深達度T2:2例,T3:1例で,平均手術時間は249分,平均出血量は24g.術後合併症は1例(術後出血)で保存的に軽快し...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 8; pp. 2281 - 2285 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2009
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.70.2281 |
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Summary: | 3例の腹腔鏡下Hartmann手術を経験したので報告する.症例1:75歳,男性.Rb直腸癌で透析中,多量腹水,心臓弁膜症.症例2:82歳,男性.Rb直腸癌で脳梗塞,重度認知症.症例3:81歳,女性.RS直腸癌で高度肝硬変,多量腹水,糖尿病.当院開院後より大腸癌切除を施行した463例のうちHartmann手術は23例(4.9%)に施行し,腹腔鏡手術は3例であった.直腸癌の腹腔鏡下手術の適応はRS:~T3,Ra/Rb:~T2症例とした.平均年齢は79.3歳,平均腫瘍径は42mm,深達度T2:2例,T3:1例で,平均手術時間は249分,平均出血量は24g.術後合併症は1例(術後出血)で保存的に軽快した.ドレーン留置期間は平均8日間,食事開始は全例術後3日,術後平均在院日数は14.3日であった.消化管再建を回避せざるを得ないハイリスク症例に対し,腹腔鏡下Hartmann手術は低侵襲であり安全に行うことができた. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.70.2281 |