医療放射線防護における最近の潮流

近年の医療放射線防護分野は,激変の時代を迎えているようである.国際的な動向に加え,2011年3月の福島原発事故によって,国民の放射線および放射線影響に対する意識が高まってきたことも決して無縁ではないと考える.その結果として法令改正も相次ぐことになり,医療放射線安全管理や放射線業務従事者の管理について,大変厳密な管理が求められるようになってきている.本稿では,近年の放射線防護に関する動きの中から,眼の水晶体のしきい線量と線量限度の変更,医療法施行規則の改正に伴う医療放射線安全管理,診断参考レベル,X線撮影時の生殖腺シールドの廃止に関する国内外の動向,ICRPの新勧告,およびリスクコミュニケーショ...

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Published in日本放射線技術学会雑誌 Vol. 78; no. 11; pp. 1265 - 1272
Main Author 五十嵐, 隆元
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本放射線技術学会 2022
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ISSN0369-4305
1881-4883
DOI10.6009/jjrt.2022-1311

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Summary:近年の医療放射線防護分野は,激変の時代を迎えているようである.国際的な動向に加え,2011年3月の福島原発事故によって,国民の放射線および放射線影響に対する意識が高まってきたことも決して無縁ではないと考える.その結果として法令改正も相次ぐことになり,医療放射線安全管理や放射線業務従事者の管理について,大変厳密な管理が求められるようになってきている.本稿では,近年の放射線防護に関する動きの中から,眼の水晶体のしきい線量と線量限度の変更,医療法施行規則の改正に伴う医療放射線安全管理,診断参考レベル,X線撮影時の生殖腺シールドの廃止に関する国内外の動向,ICRPの新勧告,およびリスクコミュニケーションに向けた動きについて,総論的に述べることにする.
ISSN:0369-4305
1881-4883
DOI:10.6009/jjrt.2022-1311