曝露反応妨害法が奏功した身体醜形障害を伴う強迫性障害の一治療例(実践研究,<特集>社会福祉と行動療法)

本研究は、17歳の身体醜形障害(BDD)を伴う強迫性障害(OCD)の女性患者に対して、曝露反応妨害法(E/RP)を中心とする認知行動療法(CBT)を行った結果、 CBT開始3か月間で不潔恐怖を主とする強迫観念、強迫行為やBDD症状に改善がみられた事例の報告である。治療においては、治療への動機づけや継続性を高める心理教育、治療意欲を高める課題を設定し、宿題でE/RPを繰り返し、成功体験をセルフモニタリングすることを通して、セルフコントロール力を高めることに重点が置かれた。最後に、本研究の結果をもとに、OCDと生物学的ならびに認知行動学的な共通性が指摘されているBDDに対するCBTの効果について考...

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Published in行動療法研究 Vol. 29; no. 2; pp. 171 - 181
Main Author 大塚, 明子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本認知・行動療法学会 30.09.2003
日本行動療法学会
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ISSN0910-6529
2424-2594
DOI10.24468/jjbt.29.2_171

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Summary:本研究は、17歳の身体醜形障害(BDD)を伴う強迫性障害(OCD)の女性患者に対して、曝露反応妨害法(E/RP)を中心とする認知行動療法(CBT)を行った結果、 CBT開始3か月間で不潔恐怖を主とする強迫観念、強迫行為やBDD症状に改善がみられた事例の報告である。治療においては、治療への動機づけや継続性を高める心理教育、治療意欲を高める課題を設定し、宿題でE/RPを繰り返し、成功体験をセルフモニタリングすることを通して、セルフコントロール力を高めることに重点が置かれた。最後に、本研究の結果をもとに、OCDと生物学的ならびに認知行動学的な共通性が指摘されているBDDに対するCBTの効果について考察した。
ISSN:0910-6529
2424-2594
DOI:10.24468/jjbt.29.2_171