乳房温存術後14年目にoccult炎症性乳癌型再発をきたした1例
症例は48歳,女性.34歳時に前医で右乳癌に対し乳房扇状部分切除術と腋窩リンパ節郭清を施行,病理の結果は非浸潤性乳管癌,TisN0M0 Stage 0であった.術後放射線治療を行い,化学療法やホルモン療法は行わなかった.その後3年間は再発所見なく,44歳時より年1回のマンモグラフィー検査を受けていた.48歳時に集簇性多形性石灰化が出現,穿刺吸引細胞診でclassV.当センターでの針生検で浸潤性乳管癌と診断,局所再発以外に転移巣を認めなかった.右胸筋温存乳房切除術を施行,病理診断の結果は浸潤性乳管癌(硬癌)で皮膚を含めた広範囲のリンパ管浸潤を認めた.術後補助化学療法(FEC+Docetaxel)...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 8; pp. 1942 - 1946 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2011
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.72.1942 |
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Summary: | 症例は48歳,女性.34歳時に前医で右乳癌に対し乳房扇状部分切除術と腋窩リンパ節郭清を施行,病理の結果は非浸潤性乳管癌,TisN0M0 Stage 0であった.術後放射線治療を行い,化学療法やホルモン療法は行わなかった.その後3年間は再発所見なく,44歳時より年1回のマンモグラフィー検査を受けていた.48歳時に集簇性多形性石灰化が出現,穿刺吸引細胞診でclassV.当センターでの針生検で浸潤性乳管癌と診断,局所再発以外に転移巣を認めなかった.右胸筋温存乳房切除術を施行,病理診断の結果は浸潤性乳管癌(硬癌)で皮膚を含めた広範囲のリンパ管浸潤を認めた.術後補助化学療法(FEC+Docetaxel)と術後ホルモン療法(Tamoxifen)を行っているが,現在再発を認めていない.本症例は皮膚の炎症性変化を伴わない皮膚のリンパ管浸潤をきたした症例であり,occult炎症性乳癌型再発と考えられた. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.72.1942 |