孤立性上腸間膜動脈解離10例の検討
孤立性上腸間膜動脈解離(以下,孤立性SMA解離,SMA:Superior Mesenteric Artery)は比較的まれな疾患であり,急性腹症から慢性的な腹痛や無症状のものまで症状は多彩であり,診断は困難なことが多い。また急性期および長期的な治療方法についても,一定の見解は得られていない。今回,われわれは1998年1月から2008年12月までの間に経験した,10例の孤立性SMA解離を検討した。平均年齢は55歳(41~74歳)。男性9例,女性1例。急性例9例,慢性例1例。高血圧の既往を2例に,喫煙歴を9例に認めた。5例に抗凝固剤による保存的加療を施行し,4例には入院による安静,降圧もしくは外来...
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          | Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 29; no. 6; pp. 815 - 822 | 
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| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本腹部救急医学会
    
        2009
     Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 1340-2242 1882-4781  | 
| DOI | 10.11231/jaem.29.815 | 
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| Summary: | 孤立性上腸間膜動脈解離(以下,孤立性SMA解離,SMA:Superior Mesenteric Artery)は比較的まれな疾患であり,急性腹症から慢性的な腹痛や無症状のものまで症状は多彩であり,診断は困難なことが多い。また急性期および長期的な治療方法についても,一定の見解は得られていない。今回,われわれは1998年1月から2008年12月までの間に経験した,10例の孤立性SMA解離を検討した。平均年齢は55歳(41~74歳)。男性9例,女性1例。急性例9例,慢性例1例。高血圧の既往を2例に,喫煙歴を9例に認めた。5例に抗凝固剤による保存的加療を施行し,4例には入院による安静,降圧もしくは外来加療を施行し,1例に血管内治療を施行した。長期的な抗凝固剤・抗血小板剤の投与を継続したのは3例であった。平均観察期間は4年(10ヵ月~10年2ヵ月)であり,再発症例は認められなかった。われわれが経験した症例では手術を要した症例はなく,全例が保存的治療により軽快した。 | 
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| ISSN: | 1340-2242 1882-4781  | 
| DOI: | 10.11231/jaem.29.815 |