先天性鼻咽腔閉鎖不全症の病因と病態に関する研究
先天性鼻咽喉腔閉鎖不全症と診断された11例の患者の術前の言語検査所見やファイバースコープ所見と手術により得られた軟口蓋正中部の組織学的所見および三次元立体画像所見を比較検討し, 以下の結論を得た. 1. 組織学的には, 各症例とも口蓋帆挙筋および口蓋垂筋の発育不全を認めた. 2. 口蓋帆挙筋は欠損の程度により軽度異常群, 中等度異常群, 高度異常群の三つに分類された. 3. 口蓋垂筋は欠損の程度により一部欠損群, 中等度欠損群, 重度欠損群の三つに分類された. 4. 三次元立体画像所見では軟口蓋筋群の欠損の程度により軽度欠損型, 中等度欠損型, 高度欠損型の三つに分類された. 5. 鼻咽腔ファ...
Saved in:
| Published in | 昭和歯学会雑誌 Vol. 15; no. 2; pp. 133 - 144 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
昭和大学・昭和歯学会
1995
|
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0285-922X 2186-5396 |
| DOI | 10.11516/dentalmedres1981.15.133 |
Cover
| Summary: | 先天性鼻咽喉腔閉鎖不全症と診断された11例の患者の術前の言語検査所見やファイバースコープ所見と手術により得られた軟口蓋正中部の組織学的所見および三次元立体画像所見を比較検討し, 以下の結論を得た. 1. 組織学的には, 各症例とも口蓋帆挙筋および口蓋垂筋の発育不全を認めた. 2. 口蓋帆挙筋は欠損の程度により軽度異常群, 中等度異常群, 高度異常群の三つに分類された. 3. 口蓋垂筋は欠損の程度により一部欠損群, 中等度欠損群, 重度欠損群の三つに分類された. 4. 三次元立体画像所見では軟口蓋筋群の欠損の程度により軽度欠損型, 中等度欠損型, 高度欠損型の三つに分類された. 5. 鼻咽腔ファイバースコープ所見では軟口蓋筋の断裂の程度が鼻咽腔閉鎖機能に影響を与えるものと考えられた. 6. 言語検査所見では開鼻声の程度は主に口蓋帆挙筋の欠損に関与していると考えられた. |
|---|---|
| ISSN: | 0285-922X 2186-5396 |
| DOI: | 10.11516/dentalmedres1981.15.133 |