若年男性における心臓自律神経系活動と睡眠状態との相関性についての検討

睡眠障害の一つである睡眠時無呼吸症候群の確定診断はポリソムノグラフィー検査で行う必要があり,SAS検査のゴールドスタンダードだと言われている.現在,わが国でこの検査を行うには病院に入院し,多数の電極を全身に装着して行う必要がある.電極の装着には,専門の技師,設備,器材などが必要であり装着にも時間を要する.本研究の目的は検査の簡素化のため,少数のセンサで睡眠段階ができることを検討するため心拍数に着目し,心拍変動による心臓自律神経系活動と睡眠段階との関係を検討することとする.まず各睡眠段階の推定のために,若年男性25名を対象に睡眠中の生体信号をポリソムノグラフィー検査にて記録し各睡眠段階を推定した...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. 54Annual; no. 27PM-Abstract; p. S249
Main Authors 中村, 英夫, 藤江, 建朗, 井上, 貴文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2016
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.54Annual.S249

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Summary:睡眠障害の一つである睡眠時無呼吸症候群の確定診断はポリソムノグラフィー検査で行う必要があり,SAS検査のゴールドスタンダードだと言われている.現在,わが国でこの検査を行うには病院に入院し,多数の電極を全身に装着して行う必要がある.電極の装着には,専門の技師,設備,器材などが必要であり装着にも時間を要する.本研究の目的は検査の簡素化のため,少数のセンサで睡眠段階ができることを検討するため心拍数に着目し,心拍変動による心臓自律神経系活動と睡眠段階との関係を検討することとする.まず各睡眠段階の推定のために,若年男性25名を対象に睡眠中の生体信号をポリソムノグラフィー検査にて記録し各睡眠段階を推定した.また,得られた心電図より心拍変動を測定し,トーン-エントロピー法で心臓自律神経系活動解析を行った.結果,深睡眠の割合が多い被験者ではエントロピーは高値になる傾向を示し,深睡眠の割合が少ない被験者ではエンロトピーは低値を示した.つまり,深睡眠が副交感神経系活動の亢進に大きく関与していることを示した.心臓自律神経系活動と睡眠段階との関係が心拍変動より推定できる可能性を示唆しており,将来的に検査の簡素化につなげられる可能性を示唆した.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.54Annual.S249