わが国のがん疼痛治療薬における問題点とその解決方法

「1. はじめに」末期がん患者は, 疼痛を始め, 様々な身体症状や精神的苦痛に悩まされながら死を迎える場合が多く, 緩和ケアではこれらの症状をコントロールし, 患者あるいはその家族に対して実現し得る最高のQOL(Quality of life)を提供することを目標にしている. がん患者における疼痛の出現頻度は, がんの原発部位や病期, 病態, 転移などにより異なるが, がんの進行に伴って高くなる.1) 末期がん患者においては, 75%の患者で疼痛の訴えがあり,2-5) がん疼痛はがん患者にとって, 非常に重要な問題となっている. 世界保健機関(WHO;World Health Organiza...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 131; no. 1; pp. 113 - 127
Main Authors 国分, 秀也, 山田, 安彦, 矢後, 和夫, 的場, 元弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.01.2011
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.131.113

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Summary:「1. はじめに」末期がん患者は, 疼痛を始め, 様々な身体症状や精神的苦痛に悩まされながら死を迎える場合が多く, 緩和ケアではこれらの症状をコントロールし, 患者あるいはその家族に対して実現し得る最高のQOL(Quality of life)を提供することを目標にしている. がん患者における疼痛の出現頻度は, がんの原発部位や病期, 病態, 転移などにより異なるが, がんの進行に伴って高くなる.1) 末期がん患者においては, 75%の患者で疼痛の訴えがあり,2-5) がん疼痛はがん患者にとって, 非常に重要な問題となっている. 世界保健機関(WHO;World Health Organization)では, すべてのがん患者を疼痛から解放することを目的に1982年よりWHOがん疼痛救済プログラムを開始し, 1986年にはWHO方式がん疼痛治療法を示した「Cancer Pain Relief」6)を発刊した.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.131.113