Time of Flight型質量分析計

「1. 飛行時間(Time of Flight: TOF)型質量分析計の原理」質量分析計とは, 化合物をイオン化し, そのイオンの運動を測定することにより, 質量を測定する装置である. 質量を分離分析する部分を質量分離部と呼び, 様々な種類の装置が市販されている. そのなかで, TOF型と呼ばれる質量分離部は高い分解能や広い適用分子量範囲によって, 広範な化合物の分析に用いられる. TOF-MSは, その名前の通り一定距離をイオンが飛ぶ時間を計測する. イオン化部で生成されたイオンは, グリッド電極と対向電極の電位差を利用してアクセラレータで加速され, 高真空のフライトチューブ(Drift r...

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Published in日本農薬学会誌 Vol. 42; no. 1; pp. 179 - 186
Main Authors 笠松, 隆志, 建田, 潮, 瀧浪, 欣彦, 佐藤, 貴弥
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農薬学会 20.02.2017
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ISSN2187-0365
2187-8692
DOI10.1584/jpestics.W17-53

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Summary:「1. 飛行時間(Time of Flight: TOF)型質量分析計の原理」質量分析計とは, 化合物をイオン化し, そのイオンの運動を測定することにより, 質量を測定する装置である. 質量を分離分析する部分を質量分離部と呼び, 様々な種類の装置が市販されている. そのなかで, TOF型と呼ばれる質量分離部は高い分解能や広い適用分子量範囲によって, 広範な化合物の分析に用いられる. TOF-MSは, その名前の通り一定距離をイオンが飛ぶ時間を計測する. イオン化部で生成されたイオンは, グリッド電極と対向電極の電位差を利用してアクセラレータで加速され, 高真空のフライトチューブ(Drift region: イオン飛行部)に導入される. 複数のイオンは同時に加速され, それぞれの質量に応じた速さでフライトチューブ内を直線状に飛行し, 検出器に到達する. この時の飛行している時間を計測し, イオンのm/zを算出する.
ISSN:2187-0365
2187-8692
DOI:10.1584/jpestics.W17-53