Debonding時における歯面粗さコントロール法の検討
矯正治療後のブラケット装置の撤去および歯面の研磨処理 (以下, debondingと記す) は, その後の着色やプラークの蓄積に影響を及ぼすことが知られている.本研究では, 現在用いられている16種類の歯面研磨方法を比較, より適切な処理法について検討することを目的とした.ヒト小臼歯抜去歯32本を用いて, 4-META/MMA-TBBレジンにてメタルブラケットをbondingする前とdebonding時の研磨後における唇面表面性状の変化を, 長軸方向の中心線平均粗さ, およびSEM所見を用いて検討した.中心線平均粗さの計測結果から, 16方法中の12方法においてbonding前とdebondi...
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Published in | 昭和歯学会雑誌 Vol. 22; no. 1; pp. 13 - 21 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
昭和大学・昭和歯学会
2002
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ISSN | 0285-922X 2186-5396 |
DOI | 10.11516/dentalmedres1981.22.13 |
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Summary: | 矯正治療後のブラケット装置の撤去および歯面の研磨処理 (以下, debondingと記す) は, その後の着色やプラークの蓄積に影響を及ぼすことが知られている.本研究では, 現在用いられている16種類の歯面研磨方法を比較, より適切な処理法について検討することを目的とした.ヒト小臼歯抜去歯32本を用いて, 4-META/MMA-TBBレジンにてメタルブラケットをbondingする前とdebonding時の研磨後における唇面表面性状の変化を, 長軸方向の中心線平均粗さ, およびSEM所見を用いて検討した.中心線平均粗さの計測結果から, 16方法中の12方法においてbonding前とdebonding研磨後の粗さに有意な差が認められた (p<0.05).また, 各方法のSEM所見から, 1.研磨後にレジンが残余しているもの (ラウンドバーのみ用いた方法, プロケアをラバーカップまたはブラシコーンで用いた方法), 2.研磨効果がレジンタグまで及んでいるもの (コンポジットポリッシングシステムを40gの荷重で用いた方法), 3.研磨効果がエナメル質深層まで及んでいるもの (スーパーファイン, ダイヤモンドポリッシングシステム, オーロラポリダイヤ, Sof-lex, シリコンカップポイントを用いた方法, およびコンポジットポリッシングシステムを80gの荷重で用いた方法) などが明らかとなった.そして, コンポジットポリッシングシステムを40gの荷重で使用する方法では滑沢な表面を示しレジンの残余やエナメル質の過剰な削除も避けられることが判明した. |
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ISSN: | 0285-922X 2186-5396 |
DOI: | 10.11516/dentalmedres1981.22.13 |