金属および樹脂製アプリケータを用いた子宮頸がん腔内照射における線量分布の検証

【目的】子宮頸がん腔内照射では,施設により金属製か樹脂製アプリケータが使用されるが,治療計画装置ではアプリケータの組成や密度を考慮した線量計算ができない.本研究では,モンテカルロシミュレーションにより,金属製と樹脂製アプリケータを詳細に再現し,アプリケータの素材の違いによるA点線量および線量分布を検証した.【方法】egs_brachyコードにより,子宮頸がん腔内照射に使用されるタンデムとオボイドを組み合わせた金属製と樹脂製のアプリケータをモデリングした.モデリングしたアプリケータでA点線量と線量分布を計算し,比較した.【結果】金属製アプリケータではTG-43U1式よりもA点線量が−3.2%であ...

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Published in日本放射線技術学会雑誌 Vol. 79; no. 7; pp. 682 - 692
Main Authors 玉木, 義雄, 宮川, 真, 布施, 拓, 藤崎, 達也, 安江, 憲治, 富田, 史紘, 奥村, 敏之, 大山, 哲史, 大山, 勝彦, 吉沢, 知行, 生駒, 英明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本放射線技術学会 2023
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ISSN0369-4305
1881-4883
DOI10.6009/jjrt.2023-1375

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Summary:【目的】子宮頸がん腔内照射では,施設により金属製か樹脂製アプリケータが使用されるが,治療計画装置ではアプリケータの組成や密度を考慮した線量計算ができない.本研究では,モンテカルロシミュレーションにより,金属製と樹脂製アプリケータを詳細に再現し,アプリケータの素材の違いによるA点線量および線量分布を検証した.【方法】egs_brachyコードにより,子宮頸がん腔内照射に使用されるタンデムとオボイドを組み合わせた金属製と樹脂製のアプリケータをモデリングした.モデリングしたアプリケータでA点線量と線量分布を計算し,比較した.【結果】金属製アプリケータではTG-43U1式よりもA点線量が−3.2%であったが,樹脂製アプリケータではTG-43U1式との誤差が0.0%であった.タンデム先端以外のアプリケータ周辺の計算点でTG-43U1式との差の平均値は金属製アプリケータで−4.9%,樹脂製アプリケータで0.3%であった.【結語】本研究では,子宮頸がん腔内照射で使用されるアプリケータの組成や密度を考慮して線量計算を行った.金属製アプリケータと比較して樹脂製アプリケータではTG-43U1式に近い線量計算結果となることが明らかになった.したがって,金属製アプリケータから樹脂製アプリケータへ変更した場合,治療計画装置でより正確に線量が計算できるようになることが示された.
ISSN:0369-4305
1881-4883
DOI:10.6009/jjrt.2023-1375