成人脊柱変形術後ADL制限とその予測因子の検討
はじめに:成人脊柱変形術後ADL障害発生危険因子を調査した.対象と方法:中下位胸椎から骨盤まで矯正固定術を行い2年以上経過しADL調査可能であった49名を対象とした.調査項目は術後2年時点での靴下着脱,足趾爪切り,お尻ふき,湯船入浴,寝返り,ズボン着脱,椅子からの立ち上がり,正座,落下物拾い,乗車の10項目に関して独力で難なく可能(2点),苦労して可能(1点),不能(0点)の3段階で評価し,合計20点満点でLumbar stiffness score(以下LS score)と定義し,合計点数14点以下(Low群)と15点以上(High群)の2群間で術前後各種パラメーター,術前の下肢関節柔軟性,...
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Published in | Journal of Spine Research Vol. 16; no. 1; pp. 17 - 22 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
20.01.2025
日本脊椎脊髄病学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1884-7137 2435-1563 |
DOI | 10.34371/jspineres.2023-0039 |
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Summary: | はじめに:成人脊柱変形術後ADL障害発生危険因子を調査した.対象と方法:中下位胸椎から骨盤まで矯正固定術を行い2年以上経過しADL調査可能であった49名を対象とした.調査項目は術後2年時点での靴下着脱,足趾爪切り,お尻ふき,湯船入浴,寝返り,ズボン着脱,椅子からの立ち上がり,正座,落下物拾い,乗車の10項目に関して独力で難なく可能(2点),苦労して可能(1点),不能(0点)の3段階で評価し,合計20点満点でLumbar stiffness score(以下LS score)と定義し,合計点数14点以下(Low群)と15点以上(High群)の2群間で術前後各種パラメーター,術前の下肢関節柔軟性,足部保持,歩行速度及び下肢筋力を評価した.結果:術後2年の時点で足趾爪切り,正座は約6割で不能であった.Low群でPI及び術後LL,術前後SSが有意に高く,股関節外旋,膝深屈曲,足部保持率は有意に低く,歩行速度が有意に遅く,腓腹筋が有意に弱かった.多変量ロジスティク回帰分析の結果,14点以下となる因子として足部保持不能が検出された.結語:術後ADL障害危険因子は足部保持不能,またADL障害に関しては下肢筋力,歩行速度等が術後ADL制限に影響している可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1884-7137 2435-1563 |
DOI: | 10.34371/jspineres.2023-0039 |