主膵管損傷を伴う膵外傷に対する非開腹的治療
主膵管損傷を伴う膵外傷には一般的に手術が必要と考えられているが,主膵管損傷があっても自然経過で仮性嚢胞を形成する場合がある。また,膵管ステントを用いて膵液をドレナージすることで膵液の腹腔内への漏洩を防ぎ,仮性嚢胞の形成を促し得る。膵仮性嚢胞の40%は自然消失するという報告もあるが,主膵管損傷がある場合は治療が不可欠と考えられ,主膵管損傷の有無について内視鏡的逆行性膵管造影(endoscopic retrograde pancreatography:以下,ERP)を行い,診断することが重要である。膵仮性嚢胞の内視鏡的治療として,経乳頭的嚢胞ドレナージや超音波内視鏡(endoscopic ultr...
Saved in:
Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 31; no. 6; pp. 901 - 907 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
2011
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.31.901 |
Cover
Summary: | 主膵管損傷を伴う膵外傷には一般的に手術が必要と考えられているが,主膵管損傷があっても自然経過で仮性嚢胞を形成する場合がある。また,膵管ステントを用いて膵液をドレナージすることで膵液の腹腔内への漏洩を防ぎ,仮性嚢胞の形成を促し得る。膵仮性嚢胞の40%は自然消失するという報告もあるが,主膵管損傷がある場合は治療が不可欠と考えられ,主膵管損傷の有無について内視鏡的逆行性膵管造影(endoscopic retrograde pancreatography:以下,ERP)を行い,診断することが重要である。膵仮性嚢胞の内視鏡的治療として,経乳頭的嚢胞ドレナージや超音波内視鏡(endoscopic ultrasonography:以下,EUS)下嚢胞ドレナージが報告され,普及しつつある。主膵管損傷を伴う膵外傷であっても,緊急interventional radiolody(IVR)や緊急手術が可能な体制下において嚢胞が形成されるまで全身状態を良好に管理することができれば,非開腹的治療が可能と考えられる。 |
---|---|
ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.31.901 |