大腸穿孔症例における術前予後因子の検討

2008年1月から2015年12月までの8年間に大腸穿孔と診断し緊急手術を施行した96例について,術前予後因子に関して臨床的検討を行った。11例の在院死亡を認め,急性期病態に関連した死亡は10例(10.4%)であった。死亡群の術前の各因子を検討した結果,多変量解析で術前PLT<100,000/μL,術前人工透析あり,術前ショックありが独立した術前予後因子となった。術前SOFA scoreは生存群と比べて死亡群で有意に高く,各パラメーターの比較では,凝固系,心血管系,腎機能の項目が死亡群で有意に高かった。大腸穿孔ではさまざまな臓器障害を呈し重篤になるため,早期の予後不良因子を有する症例の見極めと...

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Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 36; no. 6; pp. 1007 - 1012
Main Authors 宇高, 徹総, 山本, 澄治, 松本, 尚也, 久保, 雅俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2016
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.36.1007

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Summary:2008年1月から2015年12月までの8年間に大腸穿孔と診断し緊急手術を施行した96例について,術前予後因子に関して臨床的検討を行った。11例の在院死亡を認め,急性期病態に関連した死亡は10例(10.4%)であった。死亡群の術前の各因子を検討した結果,多変量解析で術前PLT<100,000/μL,術前人工透析あり,術前ショックありが独立した術前予後因子となった。術前SOFA scoreは生存群と比べて死亡群で有意に高く,各パラメーターの比較では,凝固系,心血管系,腎機能の項目が死亡群で有意に高かった。大腸穿孔ではさまざまな臓器障害を呈し重篤になるため,早期の予後不良因子を有する症例の見極めと集学的な管理が重要である。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.36.1007