小児卵巣腫瘤に対する腹腔鏡的診断・治療
小児卵巣腫瘤は比較的捻転の合併が多いが,捻転に対する術前正診率は完全ではなく,卵巣温存のためには緊急的対応が必要となる。当科においても,症状や術前検査所見に関わらず緊急的な対応を行い,診断・治療の両面で全例に腹腔鏡を用いている。腹腔鏡的アプローチは,対側卵巣の観察も含めた確定診断や捻転の有無の確認が同時に可能であり,穿刺吸引,捻転解除や保温などの腹腔内操作も容易に施行でき,小開腹併用創も最小限にできるため有用であると考えられる。しかし,腫瘤内容が腹腔内に漏出しやすいなどの問題もあり,さまざまな工夫や体外法の併用が報告されている。また最近では,妊孕性を考慮し,可及的に卵巣を温存するための2期的手...
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          | Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 31; no. 1; pp. 67 - 71 | 
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| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本腹部救急医学会
    
        2010
     Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 1340-2242 1882-4781  | 
| DOI | 10.11231/jaem.31.67 | 
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| Summary: | 小児卵巣腫瘤は比較的捻転の合併が多いが,捻転に対する術前正診率は完全ではなく,卵巣温存のためには緊急的対応が必要となる。当科においても,症状や術前検査所見に関わらず緊急的な対応を行い,診断・治療の両面で全例に腹腔鏡を用いている。腹腔鏡的アプローチは,対側卵巣の観察も含めた確定診断や捻転の有無の確認が同時に可能であり,穿刺吸引,捻転解除や保温などの腹腔内操作も容易に施行でき,小開腹併用創も最小限にできるため有用であると考えられる。しかし,腫瘤内容が腹腔内に漏出しやすいなどの問題もあり,さまざまな工夫や体外法の併用が報告されている。また最近では,妊孕性を考慮し,可及的に卵巣を温存するための2期的手術の重要性が多く報告されており,今後もさらなる術式の発展が期待される。 | 
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| ISSN: | 1340-2242 1882-4781  | 
| DOI: | 10.11231/jaem.31.67 |