Levofloxacin耐性大腸菌が分離される危険因子
フルオロキノロン系薬は,呼吸器感染症や尿路感染症に一般的に使用される.しかし,近年,フルオロキノロン系薬剤耐性の大腸菌が増加している.levofloxacin (LVFX)は標準的フルオロキノロン系薬であり,使用量増加に伴う耐性化には注意と考えられる.2009年7月から2012年3月までの期間中にLVFXを服用した大腸菌に起因する感染症を有した成人(18歳以上)入院患者のデータを収集し,LVFX耐性大腸菌が分離される危険因子を調査した.LVFX耐性大腸菌は,LVFXが投与された時点から過去6ヶ月以内の入院歴,悪性腫瘍,呼吸器疾患,尿路カテーテル使用歴,フルオロキノロン系薬使用歴と関連性があった...
Saved in:
Published in | 日本環境感染学会誌 Vol. 28; no. 5; pp. 290 - 294 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本環境感染学会
2013
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1882-532X 1883-2407 |
DOI | 10.4058/jsei.28.290 |
Cover
Summary: | フルオロキノロン系薬は,呼吸器感染症や尿路感染症に一般的に使用される.しかし,近年,フルオロキノロン系薬剤耐性の大腸菌が増加している.levofloxacin (LVFX)は標準的フルオロキノロン系薬であり,使用量増加に伴う耐性化には注意と考えられる.2009年7月から2012年3月までの期間中にLVFXを服用した大腸菌に起因する感染症を有した成人(18歳以上)入院患者のデータを収集し,LVFX耐性大腸菌が分離される危険因子を調査した.LVFX耐性大腸菌は,LVFXが投与された時点から過去6ヶ月以内の入院歴,悪性腫瘍,呼吸器疾患,尿路カテーテル使用歴,フルオロキノロン系薬使用歴と関連性があった.同定された危険因子を有する症例では,LVFX耐性大腸菌が分離される可能性を考慮し,LVFXの使用について再考する必要があると考えられる. |
---|---|
ISSN: | 1882-532X 1883-2407 |
DOI: | 10.4058/jsei.28.290 |