慢性期脳卒中片麻痺患者の上肢運動機能障害および 痙縮に対して反復末梢磁気刺激を施行した 1 例

脳出血により上肢運動機能障害と痙縮を呈した慢性期脳卒中患者に対し,外来作業療法と自宅での反復末梢磁気刺激を併用し,上肢機能訓練を実施した.週 1 回の外来作業療法では,磁気刺激装置を用いて随意運動に合わせた刺激を実施した.自宅ではウェラブル型の機器を用いたホームプログラムとして,痙縮のある上腕二頭筋・前腕屈筋群に 1 時間ずつ刺激し,その後に上肢のストレッチや運動を実施した.4 週間の介入前後において運動機能に明らかな変化はなかったが,肘関節屈筋の痙縮軽減と肘関節伸展の関節可動域拡大が得られた.慢性期の脳卒中片麻痺患者に対する反復末梢磁気刺激を用いた介入は,痙縮と関節可動域を改善する可能性が考...

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Published in愛知作業療法 Vol. 33; pp. 56 - 61
Main Authors 柴田, 理姫, 大河内, 由紀, 藤村, 健太, 加賀谷, 斉, 伊藤, 翔太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 愛知県作業療法士会 31.03.2025
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ISSN2759-3916
DOI10.69405/aichisagyoryoho.33.0_56

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Summary:脳出血により上肢運動機能障害と痙縮を呈した慢性期脳卒中患者に対し,外来作業療法と自宅での反復末梢磁気刺激を併用し,上肢機能訓練を実施した.週 1 回の外来作業療法では,磁気刺激装置を用いて随意運動に合わせた刺激を実施した.自宅ではウェラブル型の機器を用いたホームプログラムとして,痙縮のある上腕二頭筋・前腕屈筋群に 1 時間ずつ刺激し,その後に上肢のストレッチや運動を実施した.4 週間の介入前後において運動機能に明らかな変化はなかったが,肘関節屈筋の痙縮軽減と肘関節伸展の関節可動域拡大が得られた.慢性期の脳卒中片麻痺患者に対する反復末梢磁気刺激を用いた介入は,痙縮と関節可動域を改善する可能性が考えられた.
ISSN:2759-3916
DOI:10.69405/aichisagyoryoho.33.0_56