3Dプリンタを用いて作製した回転式血液ポンプのポンプ特性評価

回転式血液ポンプの開発において3Dプリンタを効果的に用いることを目的として,3Dプリンタにより作製した血液ポンプモデルと金型射出成形により作製した血液ポンプモデル(製品)のポンプ特性を比較した。具体的には、血液ポンプの表面粗さ、圧力流量特性、溶血特性、および回転するインペラの変位特性を計測した。その結果、3Dプリンタモデルでは表面粗さが0.5 μm程度、金型射出成形モデルでは表面粗さが0.02μm程度と20倍以上の差があるにもかかわらず、ピボットを軸受とする血液ポンプの圧力流量特性の両者間の差は5%程度であった.また、その血液ポンプの溶血特性の両者間の差は、インペラが低回転である揚程100~2...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. 54Annual; no. 26AM-Abstract; p. S15
Main Authors 西田, 正浩, 山根, 隆志, 丸山, 修, 根岸, 匠, 小阪, 亮, 迫田, 大輔, 桑名, 克之, 百武, 徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2016
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.54Annual.S15

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Summary:回転式血液ポンプの開発において3Dプリンタを効果的に用いることを目的として,3Dプリンタにより作製した血液ポンプモデルと金型射出成形により作製した血液ポンプモデル(製品)のポンプ特性を比較した。具体的には、血液ポンプの表面粗さ、圧力流量特性、溶血特性、および回転するインペラの変位特性を計測した。その結果、3Dプリンタモデルでは表面粗さが0.5 μm程度、金型射出成形モデルでは表面粗さが0.02μm程度と20倍以上の差があるにもかかわらず、ピボットを軸受とする血液ポンプの圧力流量特性の両者間の差は5%程度であった.また、その血液ポンプの溶血特性の両者間の差は、インペラが低回転である揚程100~200 mmHgの条件では11~20%程度であった。しかしながら、インペラが高回転である揚程300 mmHgの条件では3Dプリンタモデルの溶血量が急激に増加した。その原因として、3Dプリンタモデルにより作製したインペラ側のピボット軸受部分が高回転による変形のためにケーシング側のピボット軸受部分に接近したことが原因であると考えられた。したがって、回転式血液ポンプの開発において、3Dプリンタは、初期駆動や圧力流量特性を確認するための有力なツールであり、溶血特性の確認のためには変形による接近や接触等に注意しなければならないことがわかった。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.54Annual.S15