Components separation法で修復した傍ストーマヘルニア嵌頓の1例

症例は68歳の女性で2010年に穿孔性腹膜炎に対して当院でHartmann手術を施行した。術1年後より傍ストーマヘルニアを認めていたが,慢性関節リウマチに対してステロイドが長期投与され,用手還納可能のため経過観察を行った。2012年9月,ストーマ部の膨隆と腹痛が出現したため受診した。同部は非還納性で圧痛を伴い,腹部造影CTで小腸の脱出を認め,傍ストーマヘルニア嵌頓と診断し,緊急手術を施行した。ストーマ外側に弧状切開をおいて,腹直筋前鞘と外腹斜筋腱膜を露出しヘルニア囊を開放して腸管壊死がないことを確認した。腸管を腹腔内に還納しComponents separation法に準じて外腹斜筋腱膜と腹直...

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Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 34; no. 8; pp. 1513 - 1516
Main Authors 阿南, 匡, 中島, 紳太郎, 衛藤, 謙, 矢永, 勝彦, 今北, 智則, 小村, 伸朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2014
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.34.1513

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Summary:症例は68歳の女性で2010年に穿孔性腹膜炎に対して当院でHartmann手術を施行した。術1年後より傍ストーマヘルニアを認めていたが,慢性関節リウマチに対してステロイドが長期投与され,用手還納可能のため経過観察を行った。2012年9月,ストーマ部の膨隆と腹痛が出現したため受診した。同部は非還納性で圧痛を伴い,腹部造影CTで小腸の脱出を認め,傍ストーマヘルニア嵌頓と診断し,緊急手術を施行した。ストーマ外側に弧状切開をおいて,腹直筋前鞘と外腹斜筋腱膜を露出しヘルニア囊を開放して腸管壊死がないことを確認した。腸管を腹腔内に還納しComponents separation法に準じて外腹斜筋腱膜と腹直筋前鞘に減張切開を置き,内外腹斜筋間を剥離して正常筋膜をスライドさせ,緊張なくヘルニア門を閉鎖した。同修復法は単純閉鎖よりも再発率が低く,汚染環境などを理由にメッシュ使用不能症例でも有効と考えられた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.34.1513