胸部大動脈ステントグラフト内挿術施行中の急激な血圧低下に対し アナフィラキシーと診断した一例

術中のアナフィラキシー発症では必ずしも皮膚症状などの特徴的な所見が認められるわけではなく,その診断に難渋する場合がある。本症例では造影剤投与後に突然の循環不全を認めた。鑑別にはアナフィラキシー,さらには胸部大動脈ステントグラフト内挿術の合併症としてデバイス関連や血管損傷の可能性も考えられが,迅速に原因検索を行いアナフィラキシーと診断して対処した。急激な循環不全のみの場合,手術手技も合わさり,その鑑別に難渋する場合があるが,早急に診断し対応することができた。...

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Published in蘇生 Vol. 38; no. 2; pp. 57 - 61
Main Authors 中根, 正樹, 鈴木, 博人, 秋元, 亮, 黒木, 雅大, 川前, 金幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本蘇生学会 25.09.2019
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ISSN0288-4348
1884-748X
DOI10.11414/jjreanimatology.38.2_57

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Summary:術中のアナフィラキシー発症では必ずしも皮膚症状などの特徴的な所見が認められるわけではなく,その診断に難渋する場合がある。本症例では造影剤投与後に突然の循環不全を認めた。鑑別にはアナフィラキシー,さらには胸部大動脈ステントグラフト内挿術の合併症としてデバイス関連や血管損傷の可能性も考えられが,迅速に原因検索を行いアナフィラキシーと診断して対処した。急激な循環不全のみの場合,手術手技も合わさり,その鑑別に難渋する場合があるが,早急に診断し対応することができた。
ISSN:0288-4348
1884-748X
DOI:10.11414/jjreanimatology.38.2_57