上肢感覚運動障害を有する慢性期脳卒中患者に対する iNems の効果検証

本研究は,脳卒中後 1 年 3ヶ月が経過した慢性期にあたる感覚運動障害を呈した患者に対し,脳波におけるμ波に加えβ波帯域の神経活動をトリガーとした iNems システムの介入効果を検証することを目的とした.手関節背屈運動企図に応じた電気刺激フィードバックトレーニングを週 2 回,計8 回実施し,運動機能および神経生理学的側面から効果を評価した.結果,10 秒間の手関節背屈回数と Fugl-Meyer Assessment 上肢運動項目での改善が確認され,短期間の介入でも脳神経活動性再編が誘導される可能性が示唆された.iNems は脳卒中後の感覚運動障害への新たな介入として有用であると考える....

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Bibliographic Details
Published in愛知作業療法 Vol. 33; pp. 26 - 31
Main Authors 片山, 脩, 溝本, 恭久, 山口, 秀明, 兒玉, 隆之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 愛知県作業療法士会 31.03.2025
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ISSN2759-3916
DOI10.69405/aichisagyoryoho.33.0_26

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Summary:本研究は,脳卒中後 1 年 3ヶ月が経過した慢性期にあたる感覚運動障害を呈した患者に対し,脳波におけるμ波に加えβ波帯域の神経活動をトリガーとした iNems システムの介入効果を検証することを目的とした.手関節背屈運動企図に応じた電気刺激フィードバックトレーニングを週 2 回,計8 回実施し,運動機能および神経生理学的側面から効果を評価した.結果,10 秒間の手関節背屈回数と Fugl-Meyer Assessment 上肢運動項目での改善が確認され,短期間の介入でも脳神経活動性再編が誘導される可能性が示唆された.iNems は脳卒中後の感覚運動障害への新たな介入として有用であると考える.
ISSN:2759-3916
DOI:10.69405/aichisagyoryoho.33.0_26