リバース型人工肩関節術後1年時における日常生活動作能力と肩関節可動域の目標値

本研究の目的は,リバース型人工肩関節置換術後1年時のADL能力と肩関節可動域の目標値について検討することとした。対象は当院でリバース型人工肩関節置換術を実施し,術前と術後1年時の肩関節機能が計測可能であった15名(77.9 ± 1.1歳)とした。肩関節機能は,屈曲,外転,外旋の自動可動域,内旋(Constantスコアの点数),日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準(Japan Orthopaedic Association スコア:以下,JOAスコア)とした。術後1年時JOAスコアにより経過良好群,経過不良群に分類し,肩関節機能を比較した。群間差を認めた術後1年時の項目は,カットオフ値を算...

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Published inPhysical Therapy Kagoshima Vol. 2; pp. 14 - 19
Main Authors 枇杷, 高則, 城之下, 唯子, 宮﨑, 宣丞, 田丸, 智章, 谷口, 孝平, 大濵, 倫太郎, 谷口, 昇, 山口, 純平, 上釜, 浩平, 吉田, 研吾, 石野, 将太, 富永, 千春, 新保, 千尋, 前迫, 真吾, 海江田, 英泰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 鹿児島県理学療法士協会 2023
Kagoshima Physical Association
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ISSN2436-8458
DOI10.57357/ptkagoshima.2.0_14

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Summary:本研究の目的は,リバース型人工肩関節置換術後1年時のADL能力と肩関節可動域の目標値について検討することとした。対象は当院でリバース型人工肩関節置換術を実施し,術前と術後1年時の肩関節機能が計測可能であった15名(77.9 ± 1.1歳)とした。肩関節機能は,屈曲,外転,外旋の自動可動域,内旋(Constantスコアの点数),日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準(Japan Orthopaedic Association スコア:以下,JOAスコア)とした。術後1年時JOAスコアにより経過良好群,経過不良群に分類し,肩関節機能を比較した。群間差を認めた術後1年時の項目は,カットオフ値を算出した。経過不良群において,術後1年時の屈曲,外転,内旋の可動域,JOAスコアのADLと機能の項目が低値を示した(p ≤ .0014)。経過良好群を予測するカットオフ値は,JOAスコアのADLが8.5点,屈曲が125°,外転が110°,内旋が4点であった。リバース型人工肩関節置換術後の理学療法では,機能向上と並行してADLでの使用を見据えた動作指導などの実施が重要と考えられた。
ISSN:2436-8458
DOI:10.57357/ptkagoshima.2.0_14