大学病院一施設における予期せぬ在院死亡症例と院内緊急コール体制の検討

院内患者の予期せぬ在院死亡を減少させることが,病院機能として求められている。今回,我々は1年間の予期せぬ在院死亡症例と当院の院内緊急コールで心肺蘇生(CPR:cardiopulmonary resuscitation)を行った症例について後ろ向きに調査した。予期せぬ在院死亡症例は39例,この他に院内緊急コールでCPRを行った症例は14例で,両者を合計すると約半数に心肺停止前の予兆があった。予期せぬ在院死亡症例の院内緊急コール要請頻度は低く,院内緊急コールされなかった症例の自己心拍再開率は低かった。院内緊急コール要請基準と運用の見直しにより,心肺停止前に介入できうる症例の増加と蘇生率向上の可能性...

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Published in蘇生 Vol. 33; no. 2; pp. 69 - 73
Main Authors 澄川, 耕二, 荒木, 寛, 山下, 和範, 長谷, 敦子, 趙, 成三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本蘇生学会 25.09.2014
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ISSN0288-4348
1884-748X
DOI10.11414/jjreanimatology.33.69

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Summary:院内患者の予期せぬ在院死亡を減少させることが,病院機能として求められている。今回,我々は1年間の予期せぬ在院死亡症例と当院の院内緊急コールで心肺蘇生(CPR:cardiopulmonary resuscitation)を行った症例について後ろ向きに調査した。予期せぬ在院死亡症例は39例,この他に院内緊急コールでCPRを行った症例は14例で,両者を合計すると約半数に心肺停止前の予兆があった。予期せぬ在院死亡症例の院内緊急コール要請頻度は低く,院内緊急コールされなかった症例の自己心拍再開率は低かった。院内緊急コール要請基準と運用の見直しにより,心肺停止前に介入できうる症例の増加と蘇生率向上の可能性が示唆された。
ISSN:0288-4348
1884-748X
DOI:10.11414/jjreanimatology.33.69