OGIBを契機に小腸内視鏡で診断しえた慢性腎不全を合併した空腸癌の1例

症例;41歳男性。慢性腎不全,腎性貧血(Hb 8.0 g/dL),糖尿病,高脂血症,高血圧症で他院へ通院中であり,週に3回の維持透析を受けていた。貧血の進行と黒色便を認めたため,上下部消化管内視鏡,CT等を繰り返し施行するも出血源は不明であった。また,鉄剤投与と頻回の輸血を受けていたが,貧血は改善しなかった。原因不明の消化管出血と診断され,精査加療目的で当院を紹介受診となった。小腸カプセル内視鏡で空腸に出血性の腫瘍性病変を認めた。さらに経口ダブルバルーン小腸内視鏡で上部空腸に2/3周性の2型進行癌を認め,生検では腺癌(低分化腺癌>>中分化腺癌)であった。原発性小腸癌の診断で,他院外科で空腸部分...

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Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 34; no. 6; pp. 1233 - 1236
Main Authors 池内, 浩基, 柚木崎, 紘司, 内野, 基, 金, 鏞民, 阿部, 孝, 田村, 公佑, 李, 兆亮, 杉原, 奈央, 宮崎, 純一, 島谷, 昌明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2014
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.34.1233

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Summary:症例;41歳男性。慢性腎不全,腎性貧血(Hb 8.0 g/dL),糖尿病,高脂血症,高血圧症で他院へ通院中であり,週に3回の維持透析を受けていた。貧血の進行と黒色便を認めたため,上下部消化管内視鏡,CT等を繰り返し施行するも出血源は不明であった。また,鉄剤投与と頻回の輸血を受けていたが,貧血は改善しなかった。原因不明の消化管出血と診断され,精査加療目的で当院を紹介受診となった。小腸カプセル内視鏡で空腸に出血性の腫瘍性病変を認めた。さらに経口ダブルバルーン小腸内視鏡で上部空腸に2/3周性の2型進行癌を認め,生検では腺癌(低分化腺癌>>中分化腺癌)であった。原発性小腸癌の診断で,他院外科で空腸部分切除術を施行された。腫瘍は上部空腸に存在し,術後の病理組織診断では,2型の中分化管状腺癌であり,リンパ節転移はみられなかった。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.34.1233