急性虫垂炎に対する腹腔鏡下手術と開腹手術の比較検討

急性虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術(Laparoscopic Appendectomy:以下,LA)を開腹虫垂切除術(Open Appendectomy:以下,OA)と比較しLAの有用性を検討した。対象は2010年1月から2013年8月までに虫垂切除を施行した272例でLA群が140例,OA群が132例。手術時間はLA群が83.0±3.1分,OA群66.1±2.7分と有意差を認めLA群が長かった(p=0.002)。術中出血量はLA群が10.9±2.8mL,OA群が32.7±7.5mLと有意差を認めLA群が少なかった(p=0.006)。在院日数はLA群が4.5±2.4日,OA群が7.7±7.3...

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Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 34; no. 7; pp. 1259 - 1261
Main Authors 朝倉, 武士, 宮島, 伸宜, 京井, 玲奈, 大坪, 毅人, 西尾, 乾司, 浜辺, 太郎, 朝野, 隆之, 瀬上, 航平, 石井, 将光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2014
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.34.1259

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Summary:急性虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術(Laparoscopic Appendectomy:以下,LA)を開腹虫垂切除術(Open Appendectomy:以下,OA)と比較しLAの有用性を検討した。対象は2010年1月から2013年8月までに虫垂切除を施行した272例でLA群が140例,OA群が132例。手術時間はLA群が83.0±3.1分,OA群66.1±2.7分と有意差を認めLA群が長かった(p=0.002)。術中出血量はLA群が10.9±2.8mL,OA群が32.7±7.5mLと有意差を認めLA群が少なかった(p=0.006)。在院日数はLA群が4.5±2.4日,OA群が7.7±7.3日とLA群が短い傾向にあったが有意差は認められなかった。術後合併症の発生率は,LA群が8.6%(皮下膿瘍3.6%,術後腹腔内膿瘍5.0%),OA群が10.6%(皮下膿瘍2.3%,術後腹腔内膿瘍5.3%,術後イレウス2.3%)で明らかな差は認められなかった。しかし,術後イレウスは有意差を認めLA群が少なかった(p=0.04)。LAはOAに比べ手術時間の延長を認めたが,総じてOAに比べ有用な術式であると考えられた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.34.1259