診断に難渋した腋窩low-grade fibromyxoid sarcomaの1例
症例は50歳,女性.18歳頃,左腋窩に小指大の腫瘤を自覚し,医療機関受診するも異常とのことであった.2004年頃より少しずつ腫瘤が増大・下垂してきた.その後,皮膚のびらん・浸出液・悪臭が出現.2018年某月に当院を受診.左乳房に成人の頭よりも一回り大きい腫瘤があり,腫瘤を覆う皮膚は暗赤色で静脈怒張を伴い,先端部は自壊し浸出液を認めた.針生検施行するも壊死組織のみで確定診断はつかなかった.臨床所見と画像所見から悪性葉状腫瘍と診断し手術を行った.腫瘍は乳腺組織の外側に位置し,一部が広背筋に固着していた.切除標本重量は7.4kg.肉眼的には境界明瞭,中心部が壊死し,一部皮膚に自壊した線維性の腫瘍であ...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 81; no. 12; pp. 2437 - 2442 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2020
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.81.2437 |
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Summary: | 症例は50歳,女性.18歳頃,左腋窩に小指大の腫瘤を自覚し,医療機関受診するも異常とのことであった.2004年頃より少しずつ腫瘤が増大・下垂してきた.その後,皮膚のびらん・浸出液・悪臭が出現.2018年某月に当院を受診.左乳房に成人の頭よりも一回り大きい腫瘤があり,腫瘤を覆う皮膚は暗赤色で静脈怒張を伴い,先端部は自壊し浸出液を認めた.針生検施行するも壊死組織のみで確定診断はつかなかった.臨床所見と画像所見から悪性葉状腫瘍と診断し手術を行った.腫瘍は乳腺組織の外側に位置し,一部が広背筋に固着していた.切除標本重量は7.4kg.肉眼的には境界明瞭,中心部が壊死し,一部皮膚に自壊した線維性の腫瘍であった.病理診断では,low-grade fibromyxoid sarcoma(LGFMS)と診断された.術中所見より腋窩軟部組織原発と考えられた.術後2年経過するも再発は認めなかった.腋窩LGFMSは稀であり,ここに報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.81.2437 |