全身状態に基づいた食道破裂・穿孔症例の治療法の検討

目的:食道破裂・穿孔の適切な治療方針を検討すること。対象と方法:2004年7月から2013年6月に当科で診療した食道破裂・穿孔症例の特徴を検討した。結果:食道破裂・穿孔症例は10例であった。来院時ショック状態の3症例は下部食道の破裂で胸水貯留,白血球低下を伴い,2例にドレナージとステント挿入,1例にドレナージ後二期的経裂孔手術が施行された。非ショックの7症例では,胸水貯留が1例,白血球低下症例は認められず,4例に手術,3例に保存的加療がなされた。ショック群の在院日数が有意に長期であったが,在院死亡例はみられなかった。結論:来院時ショック状態の食道破裂症例に対しては,ドレナージを主体とし,ステン...

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Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 35; no. 1; pp. 043 - 045
Main Authors 尾本, 至, 惠, 浩一, 夏越, 祥次, 林, 直樹, 内門, 泰斗, 喜多, 芳昭, 大脇, 哲洋, 奥村, 浩, 石神, 純也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2015
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.35.043

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Summary:目的:食道破裂・穿孔の適切な治療方針を検討すること。対象と方法:2004年7月から2013年6月に当科で診療した食道破裂・穿孔症例の特徴を検討した。結果:食道破裂・穿孔症例は10例であった。来院時ショック状態の3症例は下部食道の破裂で胸水貯留,白血球低下を伴い,2例にドレナージとステント挿入,1例にドレナージ後二期的経裂孔手術が施行された。非ショックの7症例では,胸水貯留が1例,白血球低下症例は認められず,4例に手術,3例に保存的加療がなされた。ショック群の在院日数が有意に長期であったが,在院死亡例はみられなかった。結論:来院時ショック状態の食道破裂症例に対しては,ドレナージを主体とし,ステント挿入も考慮した保存的治療を行い,手術は二期的に計画することが勧められる。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.35.043