日本人C型慢性肝炎患者に対するペグインターフェロンとリバビリン併用療法時の貧血に対するエリスロポエチンの貧血改善効果を検討する探索的用量反応試験
C型慢性肝炎に対してペグインターフェロンとリバビリン併用療法時に貧血を呈した患者を対象とし,エリスロポエチンの貧血改善効果を探索的に検討した.投与基準は,ヘモグロビン(Hb)値が12 g/dl以下または前値より2 g/dl以上低下し,かつ貧血症状が発現した時点とした.エリスロポエチンは週1回皮下注射を12週間とし,1回投与量は,第1コホート3例が12,000 IU,第2コホート3例が24,000 IU,第3コホート3例が36,000 IUとした.主要評価項目はヘモグロビン濃度変化量,副次評価項目は,併用療法完遂率,QOL,薬物動態,ヘモグロビン濃度推移とした.エリスロポエチンにより9例全例Hb...
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Published in | 肝臓 Vol. 50; no. 8; pp. 427 - 436 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
2009
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Subjects | |
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ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.50.427 |
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Summary: | C型慢性肝炎に対してペグインターフェロンとリバビリン併用療法時に貧血を呈した患者を対象とし,エリスロポエチンの貧血改善効果を探索的に検討した.投与基準は,ヘモグロビン(Hb)値が12 g/dl以下または前値より2 g/dl以上低下し,かつ貧血症状が発現した時点とした.エリスロポエチンは週1回皮下注射を12週間とし,1回投与量は,第1コホート3例が12,000 IU,第2コホート3例が24,000 IU,第3コホート3例が36,000 IUとした.主要評価項目はヘモグロビン濃度変化量,副次評価項目は,併用療法完遂率,QOL,薬物動態,ヘモグロビン濃度推移とした.エリスロポエチンにより9例全例Hb値は上昇,12週投与前後の平均Hb濃度上昇は12,000 IU群0.9 g/dL,24,000 IU群1.1 g/dL,36,000 IU群1.8 g/dLであった.エリスロポエチン投与中にリバビリンを減量せざるを得なかった症例は1例で,治療前後でQOLは改善した.エリスロポエチンは併用療法時の貧血に有効であり,日本人の至適投与量は週1回24,000 IUから36,000 IUと推定された. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.50.427 |