変位計測への適用を目指した適応ビームフォーマによる超音波音場の横方向変調

本研究グループでは,秒間数千枚を達成する超高速超音波イメージングによる組織動態計測に関する研究を行っている.動態計測のためには,受信超音波信号から対象物の変位を推定する必要がある.しかし一般的には,受信超音波信号は伝搬方向に比べその垂直(横)方向の周波数が低いため,横方向の変位推定精度が低い.横方向の超音波音場の変動周波数を向上させる手法として,横方向変調法[1]がある.横方向変調法は,受信遅延和ビームフォーミング時のアポダイゼーションにより実現できる.一方,方位分解能を向上させる手法として,適応ビームフォーミングがある.しかし適応ビームフォーミングでは通常アポダイゼーションは用いておらず,横...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. 55Annual; no. 5AM-Abstract; p. 399
Main Author 長谷川, 英之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2017
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.55Annual.399

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Summary:本研究グループでは,秒間数千枚を達成する超高速超音波イメージングによる組織動態計測に関する研究を行っている.動態計測のためには,受信超音波信号から対象物の変位を推定する必要がある.しかし一般的には,受信超音波信号は伝搬方向に比べその垂直(横)方向の周波数が低いため,横方向の変位推定精度が低い.横方向の超音波音場の変動周波数を向上させる手法として,横方向変調法[1]がある.横方向変調法は,受信遅延和ビームフォーミング時のアポダイゼーションにより実現できる.一方,方位分解能を向上させる手法として,適応ビームフォーミングがある.しかし適応ビームフォーミングでは通常アポダイゼーションは用いておらず,横方向変調には用いることができない.本研究では,適応ビームフォーマにアポダイゼーションを導入し,横方向変調への適用を試みた.超音波画像評価用ファントムを用いて基礎実験を行ったところ,従来の遅延和ビームフォーミングによる横方向変調に比べ,適応ビームフォーミングを用いた場合にはより急峻な横方向の変調を実現できた.[1] Jensen JA. A new method for estimation of velocity vectors. IEEE Trans. Ultrason.Ferroelectr. Freq. Control 1998;45:837-851.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.55Annual.399