シメプレビル/ペグインターフェロン/リバビリン併用療法の肝障害について

C型慢性肝炎に対するシメプレビル(SMV)3剤併用療法の臨床試験では,治療中のALT上昇についての詳細な報告はない.本研究では,SMV3剤併用療法を施行し治療中にウイルス陰性化を認めたC型慢性肝炎321例を対象とし,ALT上昇の頻度と特徴を検討した.治療中に100 U/L超過のALT上昇を5.0%(16/321)に認めた(100-200 U/L:13例,200-400 U/L:2例,400 U/L超:1例).このうち,8例は8~12週に急激なALT上昇を認めたが,ALT値が663 U/Lに上昇した1例の中止を除く,他の7例はSMV投与終了後にALT値は速やかに低下した.SMV3剤併用療法では,...

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Published in肝臓 Vol. 56; no. 11; pp. 567 - 574
Main Authors 藥師神, 崇行, 三田, 英治, 田畑, 優貴, 平松, 直樹, 森下, 直紀, 竹原, 徹郎, 肱岡, 泰三, 伊藤, 敏文, 田村, 信司, 卜部, 彩子, 今井, 康陽, 吉田, 雄一, 片山, 和宏, 萩原, 秀紀, 疋田, 隼人, 山田, 涼子, 佐治, 雪子, 巽, 智秀, 尾下, 正秀, 福井, 弘幸, 稲田, 正己, 井上, 敦雄, 小瀬, 嗣子, 山田, 幸則, 阪森, 亮太郎, 林, 紀夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2015
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.56.567

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Summary:C型慢性肝炎に対するシメプレビル(SMV)3剤併用療法の臨床試験では,治療中のALT上昇についての詳細な報告はない.本研究では,SMV3剤併用療法を施行し治療中にウイルス陰性化を認めたC型慢性肝炎321例を対象とし,ALT上昇の頻度と特徴を検討した.治療中に100 U/L超過のALT上昇を5.0%(16/321)に認めた(100-200 U/L:13例,200-400 U/L:2例,400 U/L超:1例).このうち,8例は8~12週に急激なALT上昇を認めたが,ALT値が663 U/Lに上昇した1例の中止を除く,他の7例はSMV投与終了後にALT値は速やかに低下した.SMV3剤併用療法では,SMVに関連すると考えられる肝障害を認める症例があり,治療中の定期的な肝機能検査が必要である.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.56.567