重症急性膵炎に合併した回結腸仮性動脈瘤と感染性walled-off necrosisに対して血管塞栓術と経皮的ドレナージで治癒し得た1例

• Published in: Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 35; no. 6; pp. 801 - 804
• Main Authors: 山宮, 知, 北村, 勝哉, 野本, 朋宏, 吉田, 仁, 石井, 優
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本腹部救急医学会 2015; Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
• Subjects: walled-off necrosis; 回結腸仮性動脈瘤; 経皮的ドレナージ; 重症急性膵炎
• ISSN: 1340-2242; 1882-4781
• DOI: 10.11231/jaem.35.801

症例は70歳代，男性。アルコール性重症急性膵炎の診断で他病院に入院した。退院2ヵ月後に再度上腹部痛が出現し，貧血の増悪を認めたため当院に転院となった。腹部造影CT検査所見では，膵頭部に長径7cmのwalled-off necrosis（WON）と回結腸動脈領域に2.5cmの仮性動脈瘤を認め，血管塞栓術を施行した。経過中に右腎臓から腸腰筋にかけて長径13cmのWONの増大を認め，感染の合併を認めた。内視鏡的経消化管的アプローチが困難な部位であり，経皮経肝的ドレナージ術を施行した。ドレナージチューブのサイズアップと2本挿入することで生理食塩水による大量洗浄と還流が可能となり，WONは縮小し，治癒し得た。