イレウスに対する腹腔鏡手術の有用性と適応に関する検討
2011年4月~2016年12月に当院で施行したイレウス手術症例83例を対象に腹腔鏡手術の有用性とその適応について検討した。腹腔鏡手術群(以下,L群)(n=34)と開腹手術群(以下,O群)(n=49)に分け,L群をさらに腹腔鏡完遂群(以下,LC群)(n=18)と開腹移行群(以下,OC群)(n=16)に分けた。これらの患者背景と手術成績を後方視的に検討した。L群とO群を比較すると,患者背景に差はなかったが,L群で有意に術後死亡例が少なく,術後在院日数が短い手術成績となった。LC群とOC群を比較すると,患者背景に差はなかったが,LC群で有意に手術時間が短く,術後合併症は少なく,術後在院日数が短い手...
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Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 37; no. 6; pp. 825 - 830 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
2017
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.37.825 |
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Summary: | 2011年4月~2016年12月に当院で施行したイレウス手術症例83例を対象に腹腔鏡手術の有用性とその適応について検討した。腹腔鏡手術群(以下,L群)(n=34)と開腹手術群(以下,O群)(n=49)に分け,L群をさらに腹腔鏡完遂群(以下,LC群)(n=18)と開腹移行群(以下,OC群)(n=16)に分けた。これらの患者背景と手術成績を後方視的に検討した。L群とO群を比較すると,患者背景に差はなかったが,L群で有意に術後死亡例が少なく,術後在院日数が短い手術成績となった。LC群とOC群を比較すると,患者背景に差はなかったが,LC群で有意に手術時間が短く,術後合併症は少なく,術後在院日数が短い手術成績となった。今回の検討により,全身状態に問題がなければ,癒着性イレウスの症例と絞扼性イレウスであっても腸管拡張が限局しておりworking spaceが確保できる症例は腹腔鏡手術の適応と考えられた。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.37.825 |