経頭蓋カラードプラ法でフローダイバーター留置術後のステント内血流を評価した1例

「はじめに」 フローダイバーター(flow diverter: FD)は, 網目の細かいステントを動脈瘤母血管に留置することで動脈瘤に流入する血流を制御し, 動脈瘤の血栓化や縮小, 内皮化を誘導して治癒させる治療方法である. 本邦では2015年4月に初めてPipeline Flex (Medtronic)が承認され, 2019年にはFRED (Terumo)とPipelineの2番目のモデルのPipeline Flex with Shield technologyが導入された. 2021年にSurpass Streamline (Stryker)が薬機承認され, 3種類のFDが使用可能となり,...

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Published inNeurosonology Vol. 36; no. 3; pp. 117 - 121
Main Authors 髙田, 達郎, 山口, 佳剛, 安喰, 稔, 留岡, 史樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経超音波学会 2023
日本脳神経超音波学会
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ISSN0917-074X
DOI10.2301/neurosonology.36.117

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Summary:「はじめに」 フローダイバーター(flow diverter: FD)は, 網目の細かいステントを動脈瘤母血管に留置することで動脈瘤に流入する血流を制御し, 動脈瘤の血栓化や縮小, 内皮化を誘導して治癒させる治療方法である. 本邦では2015年4月に初めてPipeline Flex (Medtronic)が承認され, 2019年にはFRED (Terumo)とPipelineの2番目のモデルのPipeline Flex with Shield technologyが導入された. 2021年にSurpass Streamline (Stryker)が薬機承認され, 3種類のFDが使用可能となり, 内頸動脈傍鞍部や海綿静脈洞部の大型動脈瘤を中心に現在の未破裂脳動脈瘤治療の重要な役割を担っている. FD留置術後の注意すべき合併症の一つにステント内狭窄があげられる. Pipeline留置後のステント内狭窄は0~11.1%と報告されている. 症候性狭窄の頻度は高くないものの, 症候化した際には経皮的血管形成術などの血行再建術が必要になる場合もある.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.36.117