経時活動記録のテキストマイニングによる解析—令和元年台風19号における福島県の医療活動より

【目的】令和元年台風第19号における福島県の災害派遣医療チーム(DMAT)活動に焦点を当て、経時活動記録から、災害時の話題やその変化を客観的に評価した。【結果】文字数と文数の推移は、超急性期から急性期にかけて増加傾向を示し、亜急性期に急激な減少となった。経時活動記録に頻出する語が時期によって変化した。【考察】超急性期には「病院」と「DMAT」が頻出し、DMATが医療機関への対応情報を積極的に収集した結果と考えられた。急性期には「避難所」と地区名が多く、DMATの活動が地域の支援にシフトしたことを示した。亜急性期にはロジスティックス業務に関連する語が頻出し、活動内容が急性期対応から保健医療活動、...

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Published inJapanese Journal of Disaster Medicine Vol. 29; no. 1; pp. 54 - 60
Main Authors 稲葉, 洋平, 田代, 雅実, 島田, 二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本災害医学会 13.04.2024
日本災害医学会
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ISSN2189-4035
2434-4214
DOI10.51028/jjdisatmed.29.1_54

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Summary:【目的】令和元年台風第19号における福島県の災害派遣医療チーム(DMAT)活動に焦点を当て、経時活動記録から、災害時の話題やその変化を客観的に評価した。【結果】文字数と文数の推移は、超急性期から急性期にかけて増加傾向を示し、亜急性期に急激な減少となった。経時活動記録に頻出する語が時期によって変化した。【考察】超急性期には「病院」と「DMAT」が頻出し、DMATが医療機関への対応情報を積極的に収集した結果と考えられた。急性期には「避難所」と地区名が多く、DMATの活動が地域の支援にシフトしたことを示した。亜急性期にはロジスティックス業務に関連する語が頻出し、活動内容が急性期対応から保健医療活動、そしてその他の活動へ移行したと考えられた。【結語】経時活動記録のテキストマイニングは、災害時の話題やその変化を客観的に評価する手法となる可能性があると考えられた。
ISSN:2189-4035
2434-4214
DOI:10.51028/jjdisatmed.29.1_54