高度炎症例に対する単孔式腹腔鏡下虫垂切除術の検討
はじめに:急性虫垂炎に対する単孔式腹腔鏡下虫垂切除術(以下,SILA)はより整容性を重視した術式として多くの施設で行われているが,壊疽性,穿孔性もしくは膿瘍形成といった高度炎症例に対する報告はない。今回急性期に行われた高度炎症例に対するSILAの成績について検討した。対象および方法:2011年7月から2015年7月までに当院で緊急手術を施行した高度炎症性虫垂炎77例を対象とした。SILA群30例,開腹手術群47例(以下,OA群)の2群間で患者背景,治療成績について比較検討した。結果:患者背景に有意差は認めず,手術所見では,ドレーン挿入の有無にのみ有意差を認めた(P=0.02)。また術後成績で...
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Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 36; no. 3; pp. 519 - 522 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
2016
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.36.519 |
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Summary: | はじめに:急性虫垂炎に対する単孔式腹腔鏡下虫垂切除術(以下,SILA)はより整容性を重視した術式として多くの施設で行われているが,壊疽性,穿孔性もしくは膿瘍形成といった高度炎症例に対する報告はない。今回急性期に行われた高度炎症例に対するSILAの成績について検討した。対象および方法:2011年7月から2015年7月までに当院で緊急手術を施行した高度炎症性虫垂炎77例を対象とした。SILA群30例,開腹手術群47例(以下,OA群)の2群間で患者背景,治療成績について比較検討した。結果:患者背景に有意差は認めず,手術所見では,ドレーン挿入の有無にのみ有意差を認めた(P=0.02)。また術後成績では術後合併症などにも有意差を認めなかった。結語:今回の結果で患者背景や術後合併症に有意差を認めず,高度炎症例に対してSILAは整容性に優れ,安全性で妥当な術式であると考えられた。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.36.519 |