表面弾性波を用いた細胞分離マイクロデバイス設計のための数値解析
高度な粒子・細胞分離技術は、科学・生物学的分析、医療検査において重要な技術とされ、これまでに様々な技術が提案されてきた。その中でも表面弾性波(SAW)を用いた粒子分離技術は、装置作製の容易性と極微量の粒子分散液中から粒子を密度または粒径に応じて高効率かつ迅速に分離できることから注目されている。この分離方法では、微小流路内にSAW定在波(SSAW)を形成し、この領域を通過する粒子に音響放射力を作用させる。音響放射力は粒子の体積や物性値によって変化するため、粒子を分級することが可能であり、粒子を種類ごとに流路下流の異なる出口ポートに導くことができる仕組みである。本研究では、入口ポート5つ、出口ポー...
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| Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. 55Annual; no. 5AM-Abstract; p. 395 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2017
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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| ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
| DOI | 10.11239/jsmbe.55Annual.395 |
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| Summary: | 高度な粒子・細胞分離技術は、科学・生物学的分析、医療検査において重要な技術とされ、これまでに様々な技術が提案されてきた。その中でも表面弾性波(SAW)を用いた粒子分離技術は、装置作製の容易性と極微量の粒子分散液中から粒子を密度または粒径に応じて高効率かつ迅速に分離できることから注目されている。この分離方法では、微小流路内にSAW定在波(SSAW)を形成し、この領域を通過する粒子に音響放射力を作用させる。音響放射力は粒子の体積や物性値によって変化するため、粒子を分級することが可能であり、粒子を種類ごとに流路下流の異なる出口ポートに導くことができる仕組みである。本研究では、入口ポート5つ、出口ポート3つを有する幅150 μm、高さ80 μm、長さ2.5 mmの直線流路を計算機上にモデリングし、数値流体解析により微小流路内の流れ場を計算した上で、流路中央の長さ1.5 mmの領域に渡って通過粒子に音響放射力が作用すること想定し、赤血球および白血球を仮定した粒子の軌道を音響放射力に加え、粘性力および圧力勾配による力を考慮して計算し、血球分離の成否を判定し分離効率について評価した。解析の結果から、平均サイズの各血球粒子を確実に分離するためのSSAW圧力振幅範囲を導出した。また、血球粒子の体積および注入位置のばらつきが分離の成否に及ぼす影響の程度について調べ、分離効率を向上させる方法を見出した。 |
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| ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
| DOI: | 10.11239/jsmbe.55Annual.395 |