PETアミロイドイメージングによる参照領域自動設定アルゴリズムの開発 - 時間情報及びクラスタ数の再検討

アルツハイマー病(AD)は、アミロイドβ(Aβ)が、脳内に蓄積することで神経細胞が不可逆的に破壊される疾患であり、認知機能の低下が起こる以前での早期診断・早期治療が重要である。そこで本研究では、Aβの蓄積量の測定のために必要となる、生理学的にAβが蓄積しない領域である参照領域(小脳灰白質)を自動的に設定するためのアルゴリズム (AutoRef) の提案を行ってきたが、本発表では、使用するPETデータの時間軸方向での限定と、クラスタ数による性能の変化を検討した。その結果、臨床データ86例(Aβの蓄積有43症例、蓄積無33症例、蓄積が疑われる10症例)に対してAutoRefを適用したところ、全例に...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. 55Annual; no. 4AM-Abstract; p. 281
Main Authors 石井, 一成, 木村, 裕一, 山田, 誉大, 花岡, 宏平, 永岡, 隆, 細川, 知紗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2017
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.55Annual.281

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Summary:アルツハイマー病(AD)は、アミロイドβ(Aβ)が、脳内に蓄積することで神経細胞が不可逆的に破壊される疾患であり、認知機能の低下が起こる以前での早期診断・早期治療が重要である。そこで本研究では、Aβの蓄積量の測定のために必要となる、生理学的にAβが蓄積しない領域である参照領域(小脳灰白質)を自動的に設定するためのアルゴリズム (AutoRef) の提案を行ってきたが、本発表では、使用するPETデータの時間軸方向での限定と、クラスタ数による性能の変化を検討した。その結果、臨床データ86例(Aβの蓄積有43症例、蓄積無33症例、蓄積が疑われる10症例)に対してAutoRefを適用したところ、全例に対して参照領域の設定に成功し、小脳灰白質を良く特定できた。さらに、AoutoRefと脳神経核医学専門医が設定した参照領域とをAβの蓄積量で比較したところ、両者に差は無く(p<0.05)、差の最大は0.23であった。画像診断におけるADの鑑別閾値である0.4より小さかったことから、時間情報及び8クラスタでのAutoRefの有効性が示された。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.55Annual.281