膵管内管状腫瘍 発生と分化について

背景と目的 膵管内管状腫瘍とは, WHOによれば一般的に膵管内乳頭粘液腫瘍に含まれているが, 本邦の膵癌取扱い規約では膵管内管状腫瘍と膵管内乳頭粘液腫瘍の二つに分類されている1). 膵管内乳頭粘液腫瘍については多数の文献例が報告され, 検討がされている. しかしながら膵管内管状腫瘍については明確な定義がされてなく, 報告例はほとんどない2, 3). 今回我々は, 膵管内管状腫瘍の分化や形質について検討してみた. 方法 1988年から2004年にかけて, 昭和大学およびその他の関連病院で外科的に切除された膵管内管状腺癌と思われる4例の, 主に腫瘍の組織発生と分化について, 通常の膵管内乳頭粘液腫...

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Published in膵臓 Vol. 20; no. 2; pp. 140 - 142
Main Authors 楯, 玄秀, 田尻, 琢磨, 井上, 和明, 与芝, 真彰, 稲垣, 朋子, 光谷, 俊幸, 国村, 利明, 諸星, 利男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 2005
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.20.140

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Summary:背景と目的 膵管内管状腫瘍とは, WHOによれば一般的に膵管内乳頭粘液腫瘍に含まれているが, 本邦の膵癌取扱い規約では膵管内管状腫瘍と膵管内乳頭粘液腫瘍の二つに分類されている1). 膵管内乳頭粘液腫瘍については多数の文献例が報告され, 検討がされている. しかしながら膵管内管状腫瘍については明確な定義がされてなく, 報告例はほとんどない2, 3). 今回我々は, 膵管内管状腫瘍の分化や形質について検討してみた. 方法 1988年から2004年にかけて, 昭和大学およびその他の関連病院で外科的に切除された膵管内管状腺癌と思われる4例の, 主に腫瘍の組織発生と分化について, 通常の膵管内乳頭粘液腫瘍と対比しながら, 肉眼的, 組織学的および免疫組織学的に検討した. 結果と考察(表1) 肉眼的には腫瘍は結節状で充実性の増殖をしており, 周囲と境界明瞭である. 粘液の分泌は認められない(図1a). 組織学的には腫瘍は乳頭粘液状の増殖形態を呈するのではなく, 管状構造を有するback-to-back growth patternを呈している(図1b).
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.20.140