頸椎椎弓形成術における術中エコーを用いた脊髄除圧効果の評価

「目的」頸椎症性脊髄症や頚椎後縦靱帯骨化症(OPLL)などの頸椎変性疾患の病巣は, 基本的に前方に存在するため前方到達法(前方除圧固定術)による病変部の摘出が理想的である. しかし病変部が多椎間にわたる場合や脊柱管狭窄を伴う場合は, 後方より椎弓形成術が行われる. その際, 脊髄圧迫病変としての病巣部は未処理のまま残存する. ゆえに椎弓形成術では病変部による高度の脊髄圧迫に対して十分に脊髄の除圧がなされない場合があり, 椎弓形成術後に前方到達法を同時に行うことがある. 現在のところ, 術前の画像診断のみで前後同時の除圧を必要とするかの明確な診断基準はない11). 近年, 脊髄・脊椎手術において...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNeurosonology Vol. 20; no. 1; pp. 13 - 15
Main Authors 中西, 欣弥, 寺本, 佳史, 加藤, 天美, 種子田, 護, 中野, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経超音波学会 2007
日本脳神経超音波学会
Online AccessGet full text
ISSN0917-074X
DOI10.2301/neurosonology.20.13

Cover

More Information
Summary:「目的」頸椎症性脊髄症や頚椎後縦靱帯骨化症(OPLL)などの頸椎変性疾患の病巣は, 基本的に前方に存在するため前方到達法(前方除圧固定術)による病変部の摘出が理想的である. しかし病変部が多椎間にわたる場合や脊柱管狭窄を伴う場合は, 後方より椎弓形成術が行われる. その際, 脊髄圧迫病変としての病巣部は未処理のまま残存する. ゆえに椎弓形成術では病変部による高度の脊髄圧迫に対して十分に脊髄の除圧がなされない場合があり, 椎弓形成術後に前方到達法を同時に行うことがある. 現在のところ, 術前の画像診断のみで前後同時の除圧を必要とするかの明確な診断基準はない11). 近年, 脊髄・脊椎手術において術中に脊髄の状態を把握する目的で脊髄術中エコー法が導入されている2,5,7,8,9). 大がかりな装置を必要とせず, 術中に何度もリアルタイムで画像が描出される超音波検査は, 骨棘やOPLLによる圧迫病変と脊髄の位置関係を知る手段として有用である.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.20.13