Child-Pugh A腫瘍径5 cm以下単発肝癌の長期成績―単一施設における肝切除と局所療法の比較

Child-Pugh Aかつ腫瘍径5 cm以下の単発肝癌399例に対して系統的肝切除110例(28%),非系統的肝切除88例(22%),熱凝固療法(PMCTまたはRFA)97例(24%),PEIT 104例(26%)が初回治療として施行され,5年生存率/5年無再発生存率は系統的肝切除72%/41%,非系統的肝切除51%/27%,熱凝固療法68%/23%,PEIT 62%/11%であった.生存期間を延長する独立因子は1)肝障害度A, 2)腫瘍径≤2 cm, 3)高分化型肝癌,4)系統的肝切除であり,無再発生存期間を延長する独立因子は1)肝障害度A,2)高分化型肝癌,3)系統的肝切除であった.腫瘍...

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Published in肝臓 Vol. 50; no. 4; pp. 173 - 184
Main Authors 塚本, 忠治, 金沢, 景繁, 倉井, 修, 岡, 博子, 中井, 隆志, 甲田, 洋一, 木岡, 清英, 堀井, 勝彦, 真鍋, 隆夫, 川崎, 靖子, 清水, 貞利, 山崎, 修, 井上, 健, 村田, 佳津子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2009
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.50.173

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Summary:Child-Pugh Aかつ腫瘍径5 cm以下の単発肝癌399例に対して系統的肝切除110例(28%),非系統的肝切除88例(22%),熱凝固療法(PMCTまたはRFA)97例(24%),PEIT 104例(26%)が初回治療として施行され,5年生存率/5年無再発生存率は系統的肝切除72%/41%,非系統的肝切除51%/27%,熱凝固療法68%/23%,PEIT 62%/11%であった.生存期間を延長する独立因子は1)肝障害度A, 2)腫瘍径≤2 cm, 3)高分化型肝癌,4)系統的肝切除であり,無再発生存期間を延長する独立因子は1)肝障害度A,2)高分化型肝癌,3)系統的肝切除であった.腫瘍径≤2 cmでは肝障害度にかかわらず治療法別に予後の差はなく,局所療法も選択可能であるが,PEITの局所制御能は熱凝固療法に較べて不良であった.肝切除群では術式による再発率や再発様式の差がないため縮小手術が妥当と思われた.腫瘍径>2 cmでは肝予備能の許容範囲内で系統的肝切除を積極的に行なうべきで,とくに肝障害度Aにおける系統的肝切除の5年生存率/5年無再発生存率75%/52%は非系統的肝切除46%/27%,熱凝固療法48%/0%, PEIT 51%/9%に較べて有意に良好であった.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.50.173