要介護ハイリスク高齢者の1年間の変化における握力と歩行機能,転倒要因,健康関連QOLの関連性 介護予防教室に通う高齢者を対象とした縦断研究
【目的】本研究の目的は,要介護ハイリスク高齢者の1年間の変化における握力と歩行機能,転倒要因,健康関連QOLの関連を明らかにすることである。【方法】2013年10月~11月および2014年10月~11月に介護予防教室に通う自立歩行が可能な要介護ハイリスク高齢者を対象に握力測定,歩行機能,転倒要因,健康関連QOLの調査を実施した。全身の筋力の指標とされている握力を測定し,歩行機能は,運動計測システムを用いて10m歩行を行い,ストライド長やスイング速度,関節角度(膝関節,踝関節),歩行時の膝の前後への振れ幅の分析を行った。転倒要因は,転倒スコア,転倒予防自己効力感尺度を,健康関連QOLはQOLの評...
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Published in | 日本転倒予防学会誌 Vol. 7; no. 1; pp. 43 - 51 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本転倒予防学会
10.06.2020
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Subjects | |
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ISSN | 2188-5702 2188-5710 |
DOI | 10.11335/tentouyobou.7.1_43 |
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Summary: | 【目的】本研究の目的は,要介護ハイリスク高齢者の1年間の変化における握力と歩行機能,転倒要因,健康関連QOLの関連を明らかにすることである。【方法】2013年10月~11月および2014年10月~11月に介護予防教室に通う自立歩行が可能な要介護ハイリスク高齢者を対象に握力測定,歩行機能,転倒要因,健康関連QOLの調査を実施した。全身の筋力の指標とされている握力を測定し,歩行機能は,運動計測システムを用いて10m歩行を行い,ストライド長やスイング速度,関節角度(膝関節,踝関節),歩行時の膝の前後への振れ幅の分析を行った。転倒要因は,転倒スコア,転倒予防自己効力感尺度を,健康関連QOLはQOLの評価尺度であるSF-8TM を実施した。【結果】本研究の対象者は,平均年齢が80.7(± 6.4)歳の男性4名,女性16名の計20名とした。握力の平均値は19.6(± 6.5)kgであり,1年の変化値は,-0.4(± 2.1)kgであった。対象者の1年間の変化における握力と各評価指標の相関係数では,転倒スコアは有意な負の相関がみられた(r = -0.460,p <0.05)。SF-8TM の全体的健康感(GH)は,有意な正の相関がみられた(r = 0.530,p <0.05)。運動計測システムを用いて測定したストライド長,膝位置(後)は,有意な正の相関がみられた(r = 0.610,r = 0.540,p <0.05)。【結論】要介護ハイリスク高齢者の1年間の変化において,握力とストライド長,膝位置(後),転倒スコア,全体的健康感(GH)で有意な相関関係がみられた。 |
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ISSN: | 2188-5702 2188-5710 |
DOI: | 10.11335/tentouyobou.7.1_43 |