軟組織変形を伴う四次元人体モデルの開発と評価

ヒトの様々な四次元現象のうち全身運動時に骨格筋や腹部臓器などの軟組織がどのように変形しているのかを計測、可視化することは現状難しい。そこでわれわれは全身のMRIデータから三次元再構築した全身モデル(体表面、骨格、骨格筋、主要臓器、血管系を含む)を用い、被験者のモーションキャプチャデータを用いて全身モデルの駆動を行なった。駆動に際しては軟組織が解剖学的に矛盾なくリアルタイムに変形しながら全身運動時の内部構造の変化を可視化できるようにした。現在、本全身モデルで用いている軟組織変形手法について、体表面の変形の評価、および目視できない骨格筋の変形の評価をMRI計測によって行なっている。MRI計測では大...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. 55Annual; no. 4AM-Abstract; p. 259
Main Authors 鈴木, 直樹, 橋爪, 誠, 北川, 久, 服部, 麻木
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2017
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.55Annual.259

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Summary:ヒトの様々な四次元現象のうち全身運動時に骨格筋や腹部臓器などの軟組織がどのように変形しているのかを計測、可視化することは現状難しい。そこでわれわれは全身のMRIデータから三次元再構築した全身モデル(体表面、骨格、骨格筋、主要臓器、血管系を含む)を用い、被験者のモーションキャプチャデータを用いて全身モデルの駆動を行なった。駆動に際しては軟組織が解剖学的に矛盾なくリアルタイムに変形しながら全身運動時の内部構造の変化を可視化できるようにした。現在、本全身モデルで用いている軟組織変形手法について、体表面の変形の評価、および目視できない骨格筋の変形の評価をMRI計測によって行なっている。MRI計測では大腿部の筋肉を対象とし、被験者がMRIガントリー内で歩行時と同様の負荷がかかった環境下で屈伸運動する際、運動に同期しながら筋肉の動態変化を高速に連続撮像する手法の開発を行なった。そして得られたMRIデータから三次元再構築した時系列の三次元モデルを用い、大腿四頭筋について運動時の筋長と最大直径の変化の計測を行なった。同様の動作をさせた四次元人体モデルでの大腿四頭筋の変化と比較した結果、被験者と人体モデルでは同じ傾向の筋変形を行なっていることが分かった。今後、MRI計測の空間、および時間分解能を向上させるとともに、計測対象の筋の種類を増やすことで筋モデル変形におけるパラメータを筋それぞれについて決定していく予定である。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.55Annual.259