白衣高血圧症に対する行動療法的アプローチ : 血圧バイオフィードバック法による短期の降圧効果についてのパイロットスタディ(原著)

高血圧患者10名を対象にパイオフィードバック療法による白衣高血圧症の降圧効果の検討を行なった。治療前の自己血圧値と医師測定値が収縮期において25mmHg以上差があった者を白衣高血圧群(以上W群;5名),それ以外の者をN群(5名)とした。治療は週1回計4回行なった。治療による自己血圧の低下はわずかであったが,医師測定血圧は,収縮期でW群18mmHg,N群11mmHg,拡張期圧でW群11mmHg,N群8mmHg低下し,W群の降圧が著しかった.また,暗算負荷テストによる血圧上昇もW群の方が治療による抑制が著しかった。本治療法にストレスによる昇圧反応を抑制する効果があり,白衣高血圧によい適応があること...

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Published in行動療法研究 Vol. 21; no. 2; pp. 71 - 78
Main Authors 久保木, 富房, 藤田, 敏郎, 中尾, 睦宏, 野村, 忍, 下澤, 達雄, 末松, 弘行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本認知・行動療法学会 30.09.1995
日本行動療法学会
Subjects
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ISSN0910-6529
2424-2594
DOI10.24468/jjbt.21.2_71

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Summary:高血圧患者10名を対象にパイオフィードバック療法による白衣高血圧症の降圧効果の検討を行なった。治療前の自己血圧値と医師測定値が収縮期において25mmHg以上差があった者を白衣高血圧群(以上W群;5名),それ以外の者をN群(5名)とした。治療は週1回計4回行なった。治療による自己血圧の低下はわずかであったが,医師測定血圧は,収縮期でW群18mmHg,N群11mmHg,拡張期圧でW群11mmHg,N群8mmHg低下し,W群の降圧が著しかった.また,暗算負荷テストによる血圧上昇もW群の方が治療による抑制が著しかった。本治療法にストレスによる昇圧反応を抑制する効果があり,白衣高血圧によい適応があることが示唆された。
ISSN:0910-6529
2424-2594
DOI:10.24468/jjbt.21.2_71