エタノール冷媒循環システムを用いた凍結加温手術装置の性能評価

我々はこれまでに悪性腫瘍に対する新たな治療法として、凍結手術と温熱療法を併用実施できる凍結加温手術装置を開発してきた。本手術装置は、手術用プローブとスターリングクーラを取り付けた冷媒循環システムで構成される。手術用プローブの作製では、手術用プローブチップを取り付けたペルチェ素子を、樹脂のパイプに取り付けた金属板に固定することで手術用プローブを作製した。冷媒循環システムの作製では、冷媒チャンバをスターリングクーラに固定し、チャンバには循環用チューブを取り付けた。この循環用チューブと手術用プローブを接続することで凍結加温手術装置を作製した。実験では、冷媒として予冷した液体エタノールを用いた。手術装...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. 55Annual; no. 5PM-Abstract; p. 482
Main Authors 相田, 武則, 田口, 洋介, 高橋, 大志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2017
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.55Annual.482

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Summary:我々はこれまでに悪性腫瘍に対する新たな治療法として、凍結手術と温熱療法を併用実施できる凍結加温手術装置を開発してきた。本手術装置は、手術用プローブとスターリングクーラを取り付けた冷媒循環システムで構成される。手術用プローブの作製では、手術用プローブチップを取り付けたペルチェ素子を、樹脂のパイプに取り付けた金属板に固定することで手術用プローブを作製した。冷媒循環システムの作製では、冷媒チャンバをスターリングクーラに固定し、チャンバには循環用チューブを取り付けた。この循環用チューブと手術用プローブを接続することで凍結加温手術装置を作製した。実験では、冷媒として予冷した液体エタノールを用いた。手術装置の性能評価では、エタノールを循環させた状態でペルチェ素子に電力を供給し、手術用プローブの温度を経時的に計測した。無負荷条件における実験の結果、プローブ温度は-46.6℃まで到達した。また、プログラム温調器を用いて、手術用プローブの温度を冷凍-加温サイクルを3回繰り返すように設定し実験を行ったところ、自動的に温度サイクルが実行されたことを確認した。また、動物実験委員会に承認された動物実験では、手術後の組織を光学顕微鏡下で観察したところ壊死像が確認され本手術法の有効性が示唆された。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.55Annual.482