ペルフルブタン造影超音波による肝細胞癌腫瘍内血管の観察―病理像との対比検討
肝細胞癌悪性度の診断において,腫瘍内血管構築は重要な要素である.しかし,一般に用いられる造影超音波にしても,その画像所見と血管径との関連についての研究報告はほとんどみられない.我々は,肝細胞癌腫瘍内の血管を造影超音波Micro flow imaging(MFI)画像にて観察し,血管相に描出される造影信号と病理組織像とを比較し,その有用性を検討した.対象は,肝切除後の肝腫瘍割断面と造影超音波画像面がほぼ一致した肝細胞癌11症例11結節である.術前検査でMFI開始1秒後に線状の造影信号を腫瘍内の56カ所で観察した.一方,同じ断面で作成した病理標本では,径100 μm以上の筋性動脈を77個同定し,超...
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| Published in | 肝臓 Vol. 54; no. 10; pp. 682 - 691 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
2013
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
| DOI | 10.2957/kanzo.54.682 |
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| Summary: | 肝細胞癌悪性度の診断において,腫瘍内血管構築は重要な要素である.しかし,一般に用いられる造影超音波にしても,その画像所見と血管径との関連についての研究報告はほとんどみられない.我々は,肝細胞癌腫瘍内の血管を造影超音波Micro flow imaging(MFI)画像にて観察し,血管相に描出される造影信号と病理組織像とを比較し,その有用性を検討した.対象は,肝切除後の肝腫瘍割断面と造影超音波画像面がほぼ一致した肝細胞癌11症例11結節である.術前検査でMFI開始1秒後に線状の造影信号を腫瘍内の56カ所で観察した.一方,同じ断面で作成した病理標本では,径100 μm以上の筋性動脈を77個同定し,超音波画像と病理組織像における血管の描出は73%の一致率であった.この結果より,特定の条件下で,MFI画像から動脈径を推定することは可能であり,肝細胞癌の悪性度診断において有用であることが示唆された. |
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| ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
| DOI: | 10.2957/kanzo.54.682 |