ペグインターフェロン治療における診療アクセスの改善策に関する多施設共同研究~前向き研究と後ろ向き研究からの考察
ペグインターフェロン治療における診療アクセス改善策としての外来導入推進の是非を明らかにするために,全国14施設による臨床研究を行なった.ペグインターフェロン治療を終了し治療効果判定可能な879例を対象とした後ろ向き研究では,入院導入と外来導入とで薬剤アドヒアランスやウイルス学的治療効果に有意差はなく,かつ,有害事象等での中止率はむしろ後者の方が低い傾向にあることが明らかとなった.さらに,前向き研究として,新規にペグインターフェロン(・リバビリン併用)療法を導入する患者を対象とした無記名アンケート調査を行なったところ(111例,入院:外来=1:2),入院導入患者の約60%が「入院期間の短縮ないし...
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          | Published in | 肝臓 Vol. 51; no. 7; pp. 348 - 360 | 
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本肝臓学会
    
        2010
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| Subjects | |
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| ISSN | 0451-4203 1881-3593  | 
| DOI | 10.2957/kanzo.51.348 | 
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| Summary: | ペグインターフェロン治療における診療アクセス改善策としての外来導入推進の是非を明らかにするために,全国14施設による臨床研究を行なった.ペグインターフェロン治療を終了し治療効果判定可能な879例を対象とした後ろ向き研究では,入院導入と外来導入とで薬剤アドヒアランスやウイルス学的治療効果に有意差はなく,かつ,有害事象等での中止率はむしろ後者の方が低い傾向にあることが明らかとなった.さらに,前向き研究として,新規にペグインターフェロン(・リバビリン併用)療法を導入する患者を対象とした無記名アンケート調査を行なったところ(111例,入院:外来=1:2),入院導入患者の約60%が「入院期間の短縮ないし外来導入」を希望し,外来導入患者の約80%が「外来導入でよかった」と回答した.現行のペグインターフェロン(・リバビリン併用)療法は消化器,肝臓の専門医が関与すれば外来導入でも十分安全に施行しうると考えられた. | 
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| ISSN: | 0451-4203 1881-3593  | 
| DOI: | 10.2957/kanzo.51.348 |