内視鏡的摘除を行った上部消化管異物105例の臨床的特徴

当院における上部消化管異物の特徴を明らかにし,予防,検査,治療について一定の指針を示すことを目的とした。対象は内視鏡的摘除を行った105例。種類,部位,年齢,性別,基礎疾患,内服,喫煙・飲酒習慣,症状,発生と受診の曜日,受診と内視鏡検査までの時間,画像,処置具,除去率,入院の有無・合併症について検討を行った。種類はPress through package (PTP) 32例,食物残渣(食残)27例,アニサキス14例,義歯14例,魚骨8例,その他10例。部位は食道71例,胃31例,十二指腸3例。平均年齢64.5歳。PTPは高齢者で多いが45歳以下にもみられた。消化管狭窄は20例みられた。CT検...

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Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 37; no. 5; pp. 687 - 693
Main Authors 佐藤, やよい, 小林, 照宗, 水本, 英明, 丸山, 尚嗣, 田中, 元
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2017
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.37.687

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Summary:当院における上部消化管異物の特徴を明らかにし,予防,検査,治療について一定の指針を示すことを目的とした。対象は内視鏡的摘除を行った105例。種類,部位,年齢,性別,基礎疾患,内服,喫煙・飲酒習慣,症状,発生と受診の曜日,受診と内視鏡検査までの時間,画像,処置具,除去率,入院の有無・合併症について検討を行った。種類はPress through package (PTP) 32例,食物残渣(食残)27例,アニサキス14例,義歯14例,魚骨8例,その他10例。部位は食道71例,胃31例,十二指腸3例。平均年齢64.5歳。PTPは高齢者で多いが45歳以下にもみられた。消化管狭窄は20例みられた。CT検査は描出率が高く有用であった。内視鏡的摘除率は93.3%と高かったが,有鉤義歯2例が手術となった。鋭的異物では部位や穿孔の確認にCT検査が不可欠であり,処置では消化管損傷予防にフード装着が必要である。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.37.687