B型急性肝炎とHBVキャリア急性増悪のCLIA法IgM-HBc抗体価による判別

B型急性肝炎53例とHBVキャリア急性増悪例60例のIgM-HBc抗体を化学発光免疫測定法にて測定し,本法がB型急性肝炎とHBVキャリア急性増悪の判別に有用であるかどうかについて検討した.B型急性肝炎53例全例IgM-HBc抗体価が1.0S/CO以上を示し,HBVキャリア急性増悪例では60例中36例(60%)が1.0S/CO以上を示した.抗体価1.0S/CO以上を陽性とする定性判定を用いた正診率は68%であった.一方,IgM-HBc抗体価が10.0S/CO以上を示した症例は,B型急性肝炎では53例中49例(92%),HBVキャリア急性増悪例では60例中4例(7%)であり,抗体価10.0S/CO...

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Published in肝臓 Vol. 47; no. 6; pp. 279 - 282
Main Authors 松本, 武浩, 明時, 正志, 大黒, 学, 長岡, 進矢, 小森, 敦正, 中尾, 瑠美子, 石橋, 大海, 土田, 貴彦, 大畑, 一幸, 八橋, 弘, 阿比留, 正剛, 上平, 幸史, 楠本, 浩一郎, 矢野, 公士
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2006
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.47.279

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Summary:B型急性肝炎53例とHBVキャリア急性増悪例60例のIgM-HBc抗体を化学発光免疫測定法にて測定し,本法がB型急性肝炎とHBVキャリア急性増悪の判別に有用であるかどうかについて検討した.B型急性肝炎53例全例IgM-HBc抗体価が1.0S/CO以上を示し,HBVキャリア急性増悪例では60例中36例(60%)が1.0S/CO以上を示した.抗体価1.0S/CO以上を陽性とする定性判定を用いた正診率は68%であった.一方,IgM-HBc抗体価が10.0S/CO以上を示した症例は,B型急性肝炎では53例中49例(92%),HBVキャリア急性増悪例では60例中4例(7%)であり,抗体価10.0S/COを用いた両者判別の正診率は93%であった.以上の結果,B型急性肝炎とHBVキャリア急性増悪例との判別値として抗体価1.0S/COは不適であり,10.0S/COを用いることにより,高い正診率で判別が可能であると考えられた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.47.279