腫瘍に随伴する後天性血友病Aと診断した小細胞肺癌の1例

67歳,女性.左上葉の空洞性腫瘤及び活性化部分トロンボプラスチン時間の単独延長を認めた.第VIII因子活性の低下及び第VIII因子インヒビターの存在を認め,後天性血友病Aと診断した.出血リスクを考慮し,新鮮凍結血漿を投与したうえで経気管支肺生検を施行し,小細胞肺癌と診断した.腫瘍に随伴する後天性血友病Aでは,致死的な出血を生じる場合があり,侵襲的な処置を行う際は十分留意する必要がある....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 110; no. 1; pp. 101 - 108
Main Authors 森, 慎一郎, 盧, 昌聖, 北村, 淳史, 髙橋, 美乃里, 伊藤, 礼子, 村上, 学, 今井, 亮介, 田村, 友秀, 冨島, 裕, 西村, 直樹, 仁多, 寅彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.01.2021
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.110.101

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Summary:67歳,女性.左上葉の空洞性腫瘤及び活性化部分トロンボプラスチン時間の単独延長を認めた.第VIII因子活性の低下及び第VIII因子インヒビターの存在を認め,後天性血友病Aと診断した.出血リスクを考慮し,新鮮凍結血漿を投与したうえで経気管支肺生検を施行し,小細胞肺癌と診断した.腫瘍に随伴する後天性血友病Aでは,致死的な出血を生じる場合があり,侵襲的な処置を行う際は十分留意する必要がある.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.110.101